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「スクリプトの登録?このスクリプト?」
カチカチと操作しながら、土屋さんが聞いてくる。
「うん。登録したあと、参照先とか少し手直しが必要。」
「了解。俺やります。伴内さんは自分の仕事、片付けて。」
「うん。東堂さん、土屋さんにお願いしてもいいですか?」
「あ、うん。」
東堂さんが頷き、土屋さんに「悪いね。」と言う。
「いえ、早く終わらせて伴内さんと帰りたいだけですから。」
土屋さんが東堂さんに微笑む。私の方を向いて
「ほら、伴内さんも仕事、仕事。早く帰ろう、俺んチに。」
と微笑む。思わず東堂さんを見ると、東堂さんもこちらを見ていて、またドキンと心臓が跳ねてしまう。
「伴内さん、帰ろう、一緒に。」
土屋さんに、もう一度言われて、「うん。」とぎこちなく返事をすると、東堂さんが目を逸らし、モニターに視線を向ける。
席に戻りながら、心臓よ、早く静まれ、と言い聞かせる。
まだ、好きなんだな。
叶うはずもない想いに気が付いてしまい、滲みそうになる涙を堪えながら残りの仕事を片付けた。
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