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 六股男(ろくまたおとこ)土屋(つちや)(まこと)。  私の隣で、もずく酢と白子のポン酢和えをつまみに、日本酒を飲んでいる男のことだ。  お酢攻め。妊婦なのか?などと思いつつ、話しかけずに放置する。 「伴内(ばんない)さん、俺のいくつ上でしたっけ?」  お酢攻め中のロク・マタオが、暇になったのか、興味もないくせに私の年齢を聞いてくる。 「さすが。自信に溢れてるね。」 感心して言うと 「はい?」 と片方の眉を上げて私を見る。 「『俺のいくつ上』って、自分を基準にして質問するなんて。」 「そうかな?」 「『俺の年齢は知ってるよね?君の年齢は?』ってことでしょ?」 「そういうつもりじゃなかったんですけど。」 「ちなみに土屋さんの年齢、知らない。」 「まじで!?」 本気で驚かれて、若干引いてしまう。  みんなが自分に興味あると思うなよ、ロク・マタオ。
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