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(剣土国第三王女、今でも好きな女性だ。この世で一番綺麗だと、昔は思った。
だが、彼女は、ルウォル・レイルという英雄と結婚した。それは、うらやましい光景だ。
けれど、彼女をもう、手にいれようとしない……そう決めた。結婚をしてしまった以上もう、私のものには、ならない。
だけど、ルウォルを見ると、少し腹が立つ。
国の治安を守る剣団のルウォルとひとよらずの怪物である王女モドキ、互いに命の駆け引きをする身分なのは、都合がいい。
私達は、幾度(いくど)となく戦う。
何度も、何度も、人よらずの森で戦い、勝利は、いまだに一度もない。剣と刀をぶつけあった先に、隙を突かれて炎の魔法を当てられる。
何度も倒されかけて、その度に逃げた。
ルウォルは、私に対して深追いは、しない。内心、討伐するのを迷っている)
王女モドキは、人よらずの森と呼ばれる森の中央付近で紫色の目を開けた。
気に寄りかかりうとうとしていた王女モドキは、目の前に広がる風景を目に映す、深い緑の木々に囲まれた場所に、本がたくさん沈んでは、上がってきてを繰り返す沼がある。
そうここは、【本沈みの沼】
沼は、緑色に濁り、おぞましい威圧感がある。
ここは、ひとよらずの怪物の産まれる土地だ。
沼は、中に沈んだ者の願いや意思、経験や考え方を感じとり、ふさわしい体を与える。
この沼のうわさを知る人間達は、願いを叶えてくれる場所だと思い込んでいるが大間違いだ。
王女モドキは、思う。
(ここは、私の人間だったころの願いを叶えては、くれなかった……この沼ができることは、沈んだ生き物の体をいじくりまわすこと……ご丁寧に、赤いしっぽを二本つけて本沈みの沼で体を改造されたことがわかる目印をつけられる)
王女モドキは、地面に座りこみ。ため息を吐いた。
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