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「その言葉が聞けてよかったです」 「よかった…?」 「私、まだ貴方のことが好きなんです」 じゃないと、5年なんて月日をかけて探したりなんかしないわ。 「私がチェリーさんを買ってあげます」 「はい?もう買っていただいてますけど…オプションの追加、とかですか?」 違う、そういう意味で言ったんじゃないの。 チェリーさんの腕を引っ張ってベッドに押し倒すと、その上に股がった。 「あの…」 「この世界から足を洗う意味で抜けさせてあげます。残りの借金も全て私が返します」 「何を言ってるんですかっ……結構です!」 「いい?これは決定事項なんですよ」 貴方に拒否権なんて少しもない。 「もし貴方が私のことをもう好きじゃなくても、私は貴方のことを買います」 「小陽さ___」 「一億…悪い額じゃないでしょう?」 「一億……そんな大金…」 あまりの額の大きさに、なんて言ったらいいのかわからなさそうな困惑した顔。 嗚呼、その顔も可愛らしくて好き。 「それに私、この日のために処女も守り抜いてきたし、男の人をお尻でイかせてあげるテクニックも身につけたんです」 「ぁ……え、と……」 色んな感情が渦巻いて複雑な表情をする彼の唇にそっと自分のそれを重ねた。 「抱きたいですか?それとも抱かれたいですか?」 好きな方を選択すればいいだけ。 「さぁ、選んでください」 その瞬間、ゴクリと息を飲み微かに揺れた瞳。その奥には、昔感じたあの熱が見えたような気がした。 「…抱かせて、ください」 よく出来ました。ちゃんと選べた貴方にはご褒美を与えないとね。 「分かりました。チェリーさん」 「チェリーは、その……呼ばないでもらえると、助かります…」 どうやらからかっていたのがバレてしまったらしい。 頬を赤らめて顔をそらされてしまった。 「可愛いですね。先生がいいですか?それとも___」 私の趣味は娼夫を買うこと、だった。 それももう、今夜で最後。 【END】
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