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「どうぞ」
許可をして開いた扉の先に見えたのは、初めて見る男。
当然よね。だってお互い初対面なんだから。
「貴方がシノザキさん?」
「はい。貴女が美那さんですよね?」
「えぇ」
残念、またハズレね。
「貴方も一緒に飲む?」
と手に持っているグラスを傾けてみせた。
「えっ…でも」
「これ、1本100万円もするの。貴方がそうそう飲めるものじゃないだろうし、損はしないと思うけど」
「……」
「客とは飲んじゃいけないって規則はなかった気がするけど。それに、飲んだらたっぷり可愛がってあげるから」
それから、聞きたいこともあるしね。
「1杯なら」
と彼は私の傍に歩み寄り、私が差し出したグラスを受け取るとワインを注ぎ。
「乾杯」
私のものと合わせると高い音が部屋に鳴り響いた。
「おいで、シノザキさん」
私に特定の相手はいない。
「あッ…美那、さん……んんっ」
「力抜いてください、そう上手。ここは本当に初めて?」
「…っ、はい」
私に新しい恋はいらない。
「貴方、後ろの才能もあるわよ。ほら、1回イかしてあげるから」
私の最近の趣味は、娼夫を買うこと。
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