見つけた

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見つけた

昨日の男は残念なことにバスレだった。これで2人目。 こっち側にいると知って、こうして私が必死に探しているっていうのになかなか見つからない。 すぐに見つけれると思っていたのに。 「…どこにいるのよ」 休日の昼過ぎ。スマホを片手に着替えもせず、ランジェリー姿のまま寝っ転がってダラダラとサイトを漁っていたら、あるサイトでピタリと指を止めた。 見た目はもちろん、笑い方もそっくりで年齢もドンピシャ。 「もしかしたら…」 という期待が拭えない。 1人目も2人目も淡い期待を抱いて勝手に上げては落ちた。 会えるかもしれないという思いが、気づいたら、昨日の今日だというのにその人を指名していた。 その日の夜、昨日と同じホテルの部屋で窓際に腰掛けて相手が来るのを待っていると、部屋に近づく足音が聞こえ。視線を扉へと動かし、ゆっくりと腰を上げた。 コンコン、と叩かれた扉を開けば、サイトで見たまんまの男が立っている。 静かに息を飲んだ。 跳ねる心臓はだんだんと心拍数を上げていく。 「初めまして、でいいかしら」 「はい、初めましてですよ。ご指名ありがとうございます」 「……」 けど、五月蝿かったはずの心臓はゆっくりと落ち着きを取り戻した。 「どうしました?」 「ごめんなさい、なんでもないです」 私の異変に気づいた彼は心配そうにしたが、「入って」と入口からベッドへと迷うことなく誘い込んだ。 「今夜はどんな設定がいいですか?医者と患者?上司と部下?それとも___」 「ごめんなさい。私そういった設定にこだわりも興味もないの」 好きな人は好きなんだろうけど。燃えないのよね。 「あと、貴方抱かれたことの経験は?」 「え?わっ…ちょっ」 彼の肩を押してベッドの縁に座らせると、股の間に触れて更に下へと手を潜り込ませると、そこで指を止めた。 「ここに突っ込まれたことは?」 トントンと小さな刺激を与えれば、彼はピクリと体を反応させた。 「あ…あぁ、お姉さんそっちの趣味?」 「そういうことにしておいてくれると助かるわ」 「経験ないわけじゃないよ。ただここ最近はご無沙汰かな」 「そう。でも準備はしてあるのよね?」 「まぁ、色んなお客様がいますから」 「1つ言っておくわ。私は貴方達を買うけど抱かれはしない」 逆よ、私が気持ちよくさせてあげるの。
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