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闇の相談所
美月恵里香は車に乗ってこの場を後にした。僕は向かいにあるドアを見つめる。このドアの先には闇の相談所があるのか?そう思うとまた不安がよぎる
──とにかくこのドアを開けないと。
ベルト、スマホ位で十分なはず。思いつく物全て箱にいれた。ドアの前に立つとドアの鍵解除されたような音がした。半信半疑でドアのハンドルを押すとドアが開く。
そしてその先には綺麗な事務所のような建物がある。
───もしかして……ここが……
そう思い綺麗な事務所の前に立ってみた。自動ドアが開いた。事務所のドアは自動になっていた。
中に入ると誰も居ないが、電気がついている。そして、大手企業のオフィスのような室内で想像とは違っていた。
観葉植物、ソファー等のインテリアも凝った室内だった。所々、女性が選んだような置物等があった。
その中に2枚程写真がある。よくは見えないので近寄って見ようとしたその時だった。
「なに人の家勝手に物色している?お前は何しに来たんだ?」黒いスーツ姿の男が入り口の反対のドアから出てきた。
俺はびっくりして固まって何も言えなかった。
「お前はさっき門の場所で恵里香と居た奴だろう?『あいつが連れてくる』って事はどうせ何も知らずに働きたいから、あいつに電話してここに連れて来られた?違うか?」
………………
「何も言えないみたいだな?図星か?まあ、お前は学校かなんか辞めて親にでも勘当されて、金がないけど働きたくない。その癖大金が欲しい。楽して稼ごう。って考えで闇バイト開いたっ魂胆だろう?」
この人の言ってる事は全部あたってる。これが『ヴォイク』って人なのか?僕は恐る恐るその人を見た。左の目尻には傷があった。鼻筋が通って、するどい目付きだった。
「どうやらその顔を見るからにあながち間違ってはいなさそうだな?」そして、近くにあったソファーに座り俺にまた聞いてきた。
「1つ聞きたいことがある!あのサイトを教えた奴は誰だ?あのサイトは普通の奴は知らないハズだ。何故知ってる?」
僕はビクッとなって震えながら答えた。
「何故普通の人は知らないんですか?」
「お前は知ってはいけない物を知ってしまったんだよ?あのサイトは普段はロックがかかってる。誰かが調べても表示されない仕組みになっているんだ。だが、お前はそのサイトにアクセスできた。要するにそのサイトを使って仕事をしたやつがお前に教えたんだ」
僕は怖かったがどうしても聞きたくなった事を聞いてしまった。
「そのサイトを教えるとどうなるんですか?何故知ってはいけないんですか?」
「お前が知ってどうする?……まあ、教えてやるか?あのサイトを他人に教えた奴は殺すしかないからだ。知ってアクセスしたやつも場合によってはな。あのサイトには法律ではあってはいけない仕事だらけだ。麻薬取の密売、人身売買、殺し屋、遺体処理、どれも見つかってはならないものばかりだ。」
僕は息を飲んだ。確かにそんなサイトを誰もが見れたらヤバい。
「後は、自分で考えれば分かるだろう?じゃあ、お前にサイトを教えた奴の名前を教えろ」
そして机に向かい、机の引き出しから銃を取り出した。
「早く言え。分かったな?闇バイトってサイトは一般人に教えるのは御法度なんだよ!早くそいつの名前を教えろ。教えないのなら今すぐお前をここでバラすだけだがどうする?」
僕は泣きそうになった。震えも止まらない。だけど俺が先輩の名前を言えば先輩は死ぬ。でも、言わなければ俺が死ぬ。どうしていいか分からず崩れ落ちてしまった。
「友情ごっこもいいがお前もよく考えろ?そいつが教えたそのサイト、開いた瞬間に闇の組織によってお前の家族、友人、恋人、お前自身の情報全てが知られてしまうんだよ。後、俺はお前を殺す《ヤる》のは簡単な事だ。が、後々めんどくさいから。言えっ!」
えっ…………僕は頭が真っ白になってしまった。
「ふんっ。お前は闇バイトに登録されてるどこかで死ぬまで働かなきゃいけない。まあ、働く所によっては辞める事も出来るけどな?仮に辞めたとしてもそのサイトを他人に教えてはならない。」
僕は甘かった。自分を呪った。大量に涙が出てきた。もう人生終わったんだ…………
「泣いてどうする。お前がサイトを開いた瞬間からお前の人生は決まっているんだよ。もしお前がこの場所から出るなら出ればいい。ただし闇バイトに登録されてる仕事をしなければお前は誰かに殺されるだけだ。さあ、どうする?好きに選べ!」
「ここで働きます」僕はこの場所で働く決意をした。どのみち逃げる事は不可能だし。それと先輩の名前を言わなければ分からないはずだ。
「フッまあ、好きにしろ。死ぬ方が楽だったかも知れないぞ。後、その教えた奴の名前はどうやら言わないようだな?まあ、いい。お前、履歴書持って来ただろ?。それを俺によこせ」
僕は履歴書を渡した。
「ふん。○Ⅹ大学。この大学のどいつかに教えてもらったんだろ?この大学に2年以内に在籍してた奴で、あのサイトを使った奴を調べれば分かるわけ」
───えっ、先輩の事は諦めた訳ではないのか?これでは先輩の命が危ない。
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