シャドウ・ロード 第2話

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キャラクター設定 名前 七海雅人(ナナミ マサト) 性別 ♂ 年齢 18 身長 168 詳細 母親を町のイジメで無くしたイジメられっ子。ヤクザ等が絡んでおり、とある人間に復讐する事を目標に、鍛えている。 キャラクター設定 名前 血染百華 (チゾメ モカ) 性別 女 (声役 女) 身長 164 詳細 20歳で3代目血祭組を継いだ若き女組長。地域一帯のヤクザ組織で住民からも慕われている。だが、敵と見なせば徹底的に排除する冷酷な所もある。 名前 モードレッド・ウィルペンドラゴン 性別 男 (声役 男) 身長 190 詳細 30歳の長身イギリス人。超大手製薬会社ソード・グループの会長で、全世界に会社を持っている。過言の経歴が一切明かされておらず、謎の多いミステリアスな人物。 名前 村雨刹那(ムラサメ セツナ) 性別 女 (声役 女) 身長 175(ヒール込み) 詳細 30歳のスレンダー美人。警視庁地下にある秘密組織「暗躍密謀課」の長。上級国民の尻拭いや、暗殺、国の敵となりうる物の排除をしている。誰に対しても敬語だが、プランEに計画が移行すると口調や雰囲気が変わる。 名前 天音飴(アマネ アメ) 性別 女 (声役 女) 身長145 詳細 暗躍密謀課に所属する村雨の部下。超ロリ体型だが、実年齢は24歳。言動がおっさん臭い所もあれば幼い所もある。常に村雨と行動を共にしている。 名前 鳴海誠司 (ナルミセイジ) 性別 男 (声役 男) 身長 181 詳細 血染を慕う血染組若頭。年齢35歳。長らく血染組にずっと使えていたが、2代目の時、クーデターを計画し、2代目を殺害、3代目に血染襲名させた。 モブ配役 ファキッ○ューマン 村雨 チワワ 天音 いじめっ子 鳴海 総理 七海 記者 七海 ーーーーーーーーーーーーーーーー 七海(俺は、どうしようもないイジメられっ子。) いじめっ子「お〜い七海ィ〜?金は持ってきたのか〜?」 七海「ごめん、お金はちょっと……」 いじめっ子「しょうがねぇなァ〜!サンドバッグタイ〜ム!」 七海(体も小さく、ガリガリ。弱っちい子供は、自分よりもガタイのデカい奴に殴られるだけだった。そんな日々が嫌だった。) ファッ〇ューマン(あ〜、あ〜、テステス……チワワ、これマイク入ってます?) チワワ(入ってるぞ!てか何じゃそのマスク!ウケるwww) ファッ〇ューマン(殺しますよ?……まぁいいや。この動画を見てる諸君!元気ですか!?元気じゃないですよね!こんなクソみたいな動画を見てる奴なんて、人権がないドブネズミやプー太郎、不登校常習犯の陰キャしかいません!) 七海(全部的を得ていた。人権が無いドブネズミ、不登校常習犯、陰キャ、全部当てはまった。) 七海「なんでこんなの見つけたんだろ……寝よ。」 ファッ〇ューマン(欲しく無いですか?人権?取り戻したいでしょ?尊厳を。) 七海「今俺が欲しい物を、動画の人達は提示した。いじめっ子には人権が無い、屈辱的な事をされ尊厳を破壊された。……取り戻したい。) ファッ〇ューマン(欲しいなら戦うしかありません!でも、戦うと言っても試合じゃありません!喧嘩じゃありません!まず必要なのは心構え!自分の尊厳を守るためなら相手を殺しちゃっても良い!そう思えるようになることです!あ、でも実際に殺すんじゃなくて、殺しても構わないと思うことです!実際に殺しちゃ元も子も無いんですからwww) チワワ(せ、じゃなくて、ファッ〇ューマン中々エグい事言ってるぞ?) ファッ〇ューマン(うるさい!チワワは口出ししない!) チワワ(はいはい。) ファッ〇ューマン(ではやりましょう!喧嘩は怖い!確かに!したことも無いようなパンピー陰キャが殴り会えなんて無理です!だからまず、冷静さを忘れない事!興奮禁止!) 七海(ただ淡々と強くなる方法を語るこの人達見て、妙な説得力があった。ファッ〇ューマン。一件細身な外見とは裏腹に、身振り手振りで話すその手は傷だらけで、拳は平く、一定のトーンで喋るファッ〇ューマンの雰囲気に、俺は飲めり込んだ。) ファッ〇ューマン(ここはどこでしょう!釣り場です!相手を殺しても構わない!そう思う心構えを作るには!まずは魚を釣って捌く!) 七海「全然釣れねぇ!てか寒い!」 ファッ〇ューマン(魚の捌き方ァ!?自分で調べやがれ!バカが!) 七海(俺は思わず画面を殴った。) 七海(なんでこんなくだらない動画を見るのかって?不登校やニートには時間がある。再生回数1桁のクソ動画を見る時間は腐る程あるから。そして、気がつけば心酔してる俺がいた。) ファッ〇ューマン(そろそろですか。拳の握り方を教えましょう。……ファッキュー、不良共!この動画を見てる陰キャの反逆です!) N(半年後) 七海ハァ……ハァ……勝った……勝ったんだ……俺が、倒したんだ!」 七海(俺は、できること全部をやった。身体を作った。身長も伸びた。そして分かった事がある。初めは怖かった。だけど、感覚は麻痺する。そして、楽しくなった。) 七海(そして何より、俺を引き付けたのは……) ファッ〇ューマン(色んな格闘技や武術、様々な事をこのクソチャンネルで撮ってアップし続けました。正直なんでこんな事をやってるのかと言うと、今まで教えて来たのは私の我流の格闘技だからです。構えて見て下さい。自然と私と同じ構えになるでしょ?マスターできたなら、この動画を最後に、必殺技を教えましょう。) 七海(それは、俺が見た中で一番綺麗な足技だった。テコンドーの1080°の回転を相手の頭上から踵で落とす、必殺の技。) ファッ〇ューマン(この技を!私は満月落としと名付けました!色々難しい技です。頑張って見て下さい!……やっと全部の技撮り終わりました。) チワワ(お疲れ様じゃな。マスク外して良いぞ。) ファッ〇ューマン(暑ッ……ハァ〜、疲れた。チワワ今の技できます?) チワワ(無理に決まってるだろ。人間技じゃ無いわ!) ファッ〇ューマン(私天才なんでね。) チワワ(あ、すまん。まだ切れてなかった。) ファッ〇ューマン(ちょ!待っ!) 七海(そう、俺をここまで駆り立てたのは、単純な一目惚れ。最後の動画に映ったファッキ〇ーマンの人が女性だった事に驚きつつも、めちゃくちゃ美人なその人に恋をした。もう今の俺を馬鹿にする奴はいない。いつか会って言うんだ。貴方に助けられましたと。) N(暗躍密謀課事務所にて) 村雨「再生回数2……」 天音「だははは!相変わらず一桁かファッキューマン。ネーミングもクソダサいしな!何だ「ファッ〇ューマン 最強の道チャンネル」とか!やばい、お腹痛いwww」 村雨「ファッキュー!!!!」 天音「でも、再生回数2と言う事は、少なからず見てくれた者がおると言う事だ。我達と同じ、地獄をさまよった者に、セツナっちは雲の糸を垂らせた。登るかどうかは、ソイツ次第だ。このクソチャンネルを残して、応援してやれ。」 村雨「……懐かしいですね。こう言う話をするの……なんで私、警察官になったんだろ……クズ共の尻拭い、やりたくない金の洗浄、命令に媚びて尻尾ふって、指さされた場所に行く。アレ?私の方が犬じゃないですか。」 天音「そりゃあ国の犬だからな。……てか、セツナっちはなんで警察になろうとしたんだ?血染組(ちぞめ)に出向いた時、あからさま嫌悪感凄かったぞ?」 村雨「……私、ここに来るまではマル暴だったんですよ。意外でしょ?」 天音「確かに。セツナッちでもしてたのか?はよ出てこんかいゴラァァ!!みたいな?」 村雨「やりましたよもちろん。」 天音「それで?」 村雨「警察官になろうとしたのは、救えなかった分、沢山の人を救おうと思ったから、ヤクザが嫌いになったのは、くだらない理由にかこつけて自分達がカッコイイと思ってるヤクザが嫌いになったから。そして、今の私ができたのは……壊れてしまったから。」 天音「…………すまん、腹減った。」 村雨「ムードぶち壊しマンですね。ふふ、マック、行きますか?」 天音「おう!」 N(モードレッドの自宅にて。) 鳴海「な、なななな、何じゃこりゃあああああ!!!」 血染「鳴海、うるさい。」 モードレッド「そりゃあ、世界でも有数な製薬会社のトップだ。金は後3回生まれ変わっても死ぬまで遊んで暮らせる。」 血染「ブフォ!?……は、ははッ……わ、わわわ私だって、駄菓子屋のオヤツカルパス買い占めるくらいできるしッ!なぁ〜!?鳴海なぁ〜!?」 鳴海「お、おう!ウチの組の財力マジパネェから!めちゃくちゃパネェから!そうですよねお嬢!」 モードレッド「すまんすまん、金持ち自慢はほどほどにしないとな。」 鳴海「自慢かよテメェ!」 モードレッド「3回は盛った。今の家で今の生活をするならせいぜい2回だ。」 血染「変わんねぇよ?指詰めるかコラ?」 モードレッド「さっ、話をしよう。昨日の怪我は大丈夫か?」 血染「見て分かんねぇかよ。全治2週間!!」 鳴海「1ヶ月!!2人合わせて!!」 血染「怪我人ブラザーズ!!」 モードレッド「……で、話の続きなんだが。」 鳴海「シカトすんなゴラァ!」 モードレッド「俺は、ミス・チゾメを育てたい。」 血染「その育てるどうだの意味がよく分かんねぇよ。」 モードレッド「簡単に言うと、俺と手を組もうて話だ。君がして来た事、産まれてから今までの全てを調べあげた。趣味、性癖、足のサイズ、何歳で処女を捨てたのか、全てだ。」 鳴海「ハァ!?」 血染「テメェ!それは流石に殺す!」 鳴海(お嬢になんて事をしやがる!) 鳴海「よっしゃ!お嬢まだ処女だ!」 血染「逆だぞ?」 モードレッド「処女とかのくだりは嘘だ。相手がいないもんな……」 血染「(恥ずかしながら)あ〜もう!そう言う話はどうでも良いんだよ!」 モードレッド「そうだな。そこで、気になった事がある。血染組は今君で3代目だ。本来、血統で継いでいくなら、君が2代目になってもおかしくないのに。血染家と何の関わりもない初代若頭が2代目になってる。そこが気になる。」 鳴海「……お嬢、俺が説明します。」 血染「あぁ。タバコ吸ってくる。」 モードレッド「さぁ、俺ら二人きりだ。存分に話してくれ。」 鳴海「お嬢は、元々ヤクザとは無縁の人でした。全寮制の女子学校に通って、普通の女の子でした。……ただ……」 女子高生血染(おうゴラァ!なにウチの学校の生徒ナンパしてんだ!あ゛ァ゛!?) 鳴海「ただ気性が荒くて喧嘩早くて、口よりも先に拳が出るただの女子高生なんです。」 モードレッド「才能の塊じゃないか。今の話聞いたら確実にヤクザの血を引いてるよな?継ぐべくして継いでるだろ。」 鳴海「そんな普通の女の子に、組を任せるのは酷な話、初代は仕方なく若頭に組を託しました。」 モードレッド「うん、お前らの普通の基準がわからん。」 鳴海「俺達は元々、外国のマフィア組織と抗争してたんです。血染組はクスリは御法度、外国のマフィア連中は俺達のシマでクスリを売りさばいていたんです。」 モードレッド「ようやく話が出た。俺が気になっていたのは、その外国のマフィア組織だ。お前らのくだらない馴れ初めはどうでも良い。」 鳴海「酷くない?」 モードレッド「正直、地上げする時、お前らの嫌がらせはそこら辺に死んでるドブネズミと何ら変わらない程気になりはしなかった。」 鳴海「表出ろ。ぶん殴ってやる。」 モードレッド「良い意味でも悪い意味でも、お前らの地域はそのマフィア組織に助けられた訳だ。地上げ屋に依頼し、買い取ろうとした時、そのマフィア組織が名乗りをあげて話がややこしくなったのだ。その話し合いを進めてたのが俺の秘書、お前らが殺した奴だ。」 血染「ちょっと待て、まさかお前も外国のマフィアに手を焼いてるのか?」 モードレッド「無論だ。」 血染「理由を話してなかったが、私は確かに賛成派の住人を追い出したり、市長を暗殺した。昨日の女が言ってたのは途中まで正しいが、最初が間違ってる。」 モードレッド「どう言う事だ?」 血染「私は、お前の秘書を殺して無い。」 鳴海「え?」 モードレッド「……上手く俺達はハメられたと言う訳だ。それに、俺がお前らに協力を申し出たのは理由がある。地上げの件、俺達が買い取るはずだった利権は、そのマフィア組織に流れた。」 血染「……いきなり過ぎだろ、それ何時の話だ?」 モードレッド「昨日だ。俺がお前らの所に行った理由も説明がつく。」 鳴海「そう言うことか……」 モードレッド「どこに国のマフィアか、全貌何も掴めん。ただ、コレだけは言える。俺達は舐められてると言う訳だ。俺も最大限バックアップする。このまま終われないだろ?」 血染「その組織潰すまでは手を組んでやる。だが、この件が終われば、次はテメェだ。」 モードレッド「構わん。だが、俺らが手を組んでも、あの女がどうでるか分からんぞ?」 鳴海「悪い!俺バカだから全く分かんねぇけど、どう言う事だ!?」 血染「私が殺ったように見せてんだよ。」 鳴海「なるほど!つまりスケープゴート!」 モードレッド「あぁ。だが、昨日の戦いで分かったはずだ。君達の組織はたった2人の女に半壊させられた。あいつらがどれだけ強いか。」 N(村雨視点。) 村雨「さて、次はどうしましょうか。上から一応命令されてるんでね〜?」 天音「やけに乗り気だな。」 村雨「そりゃあヤクザ潰せるのでねぇ、ワクワクしちゃいます。」 天音「それなら、良い案がある。追い出された賛成派連中を味方につけよう。」 村雨「貴方にしては良い案出しますね。」 天音「味方は多い方に限る。賛成派連中の現在の住所は調べあげた。今回は我が運転する!」 N(駐車場にて) 天音「ぬ〜届かん!それに、前が……見えんッ!ハァ……ハァ……チェンジ!」 N(結局村雨が運転する事となる。) 村雨「チワワ、起きて下さい。まず一件目、着きましたよ。」 天音「む〜?……なんだ、着いたのか……?」 村雨「えーと……七海(ななみ)さんと言う方のお宅ですね。」 N(天音は眠い目を擦りながら、村雨の袖を掴んで村雨はアパートのとある一室の部屋のインターホンを押した。) 七海「あーい。あれ?」 村雨「どうも初めまして。七海さんのお宅で間違い無いでしょうか?」 鳴海「……はい。」 村雨「私、警視庁の村雨と申します。この子は、私の部下の天音です。」 天音「よろしくな!ナナオ!」 七海「……七海です。とりあえず、ご要件は?」 村雨「この住所になる前までは、とある地区に住んでましたよね。地上げが問題化され、賛成派と反対派で地域住民が対立し、ヤクザに追い出されたと……その件について、お話を聞かせて欲しいのです。」 七海「あ〜……どうぞ。」 天音(目が死んでおるな。それに、部屋も汚い。見た所、10代後半……ふむふむ、親が出迎えない辺り他界したのか?まぁ確かに、血染組の嫌がらせは相当な物だからな。ただのニートかと思ったが、出迎えた時の声色からして人とコミュケーションは取れる。それに、日焼けした身体を見るに、無職は無い。あと、服の下に隠れてるが、コイツ……相当鍛えてる。) 村雨「いくつか質問してもよろしいでしょうか?」 七海「どうぞ。」 村雨「親御さんはどちらに?」 七海「死にました。……血染組の嫌がらせは相当な物だと言うのは、刑事さん達も知ってるでしょ?」 村雨「もちろん。」 七海「それだけじゃない。あの地域は、異常な程横の繋がりが強い。朝昼晩病むなくヤクザや怖い顔した男達の嫌がらせ、街を歩けば後ろ指をさされ、罵詈雑言を浴びせられる。……俺、片親なんすよ……シングルマザーって奴でね……綺麗な母親です、優しくて、傷だらけになって帰って来た俺を手当して、好物の唐揚げを作ってくれた……だけど、もういないんですよ。……イジメられて帰って来た日、母は裏路地で……町の住人達に、犯されていた。泣き叫びながら、喚いていた。」 村雨「泣いて良いですよ。」 七海「え?」 村雨「イジメられっ子、貴方は自分でそう言いましたね。なのに、身体や顔つきは一般人のそれとは遥かに違う。毎日、地獄のような鍛錬に身を置き、復讐する事だけを見据えた目。貴方が何をしようとしてるか分かります。」 天音「余計な事はしなくて良い。我等はお前を糾弾するつもりは無い。お前のその思い、我等が受け継いでやる。あの町も、血染組も、我等が潰してやる!」 七海「…………はい……。」 村雨「貴方は一般人です。これ以上踏み込んではならない。拳や傷を見るに、君は相当場数を踏んでる。だけど、それじゃ通用しない世界もある。では、失礼しました。御協力ありがとうございます。」 天音「じゃあな、ナナオ。」 七海「……クソっ!好き勝手言いやがって!……仇は、俺の手で取る!」 N(店内にて) 天音「あむっ、んむっ……うまっ……アイツ、大丈夫か?」 村雨「さぁ?だけど、相当恨んでるようですしね。……あらかた周りましたが、他の皆さんも相当追い込まれて出て行ったようですし。……まずは世論を味方につけましょう。何かと最近は物騒なので、その事に世間の目が向けばバンバンザイ。テレビ局に連絡して、特集を組んで貰いましょうか。」 天音「なるほどな。向こう側は、今ある現状を隠したいのだろう。大手製薬会社の会長秘書が殺された話は出回っても、地上げの件、血染組の事に関しては何も出回って無いからな。」 村雨「そりゃあそうでしょ。レアアースなんて今では一番価値ある物と言っても良いですし、それに他国まで介入しようとしてる。国益に関わる事を、左翼共に教えてどうするんですか?」 天音「ま、それもそうだな。この事を知るのは本物の上級国民だけだし、引き逃げ事件で上級国民がどうとか騒いでおったが、あんなので我等が出張る程のものでも無い。事はもっと大きく動き出す。所で、セツナっちはもし戦争になったらどうする?」 村雨「そうですね。まずは総理を無理矢理にでも脅して核を保有します。国際法上、日本はアメリカに仕返しする権利がありますからね。ホワイトハウスの頭上にドーン、人種のサラダボウルを塵にしてやりますね。」 天音「ふむふむ、面白いな!」 村雨「だけど、日本人と言うのは変態の人種です。こんな小さな島国で1000年以上、同じ人種で争って来ました。今も変わりません。だけど、同種同類に今必要なのは共通の敵。韓国が私達を嫌う理由がそれです。戦争をする前に、まずは他の主張を黙らせないと。」 天音「怖い怖い、付き合いきれんわ。」 村雨「貴方がふった話でしょ?」 天音「あぁ。解答としては100点。これ以上付けられない。もうセツナッち1人で良くね?が我の本音。」 村雨「そうですね。私が総理になれば第三次世界大戦で世界標準語を日本語にする事は可能ですが、あいにく私のメンタルは一般人と変わりません。癒し欲しいです。特に犬ですね。コーギー、シェパード、ブルドッグにチワワ、沢山の犬が居ないと……ほら、お手。」 天音「ワン。」 村雨「良い子ですね。さぁ、散歩の時間ですよ。」 N(モードレッド低 屋敷内にて) モードレッド「話はまとまった。だが、今の俺達には敵が多い。外国マフィア、暗躍密謀課、それに忘れてはいけない。」 鳴海「なんだ?」 モードレッド「賛成派の住民達だ。確かに、俺は補助金をチラつかせて、話を進ませようとしたが、あの地域の住民性に阻まれそこまで上手くはいかなかった。だが、少なからず賛同する者達はいたからな。」 血染「あの町を守りたい私達からすれば、賛成派は目の上のたんこぶだ。だから追い出した。例え綺麗事並べようが、ヤクザはヤクザ。町ぐるみでイジメ、引越しや夜逃げに追い込んだ。あっという間だったぜ。」 鳴海「ま、アレは俺も心がいたんだが、仕方ない事だろ。」 モードレッド「君達はそれで良いかも知れないが、追い出された側は良くない。人間は不思議な生き物だ、その追い出した者の中から、俺達の脅威になりうる者が現れるかもしれん。それに、今ネットニュースを見たが……この有様だ。」 血染「なんだよコレ……」 N(モードレッドがスマホの画面を見せると、ネットニュースで、血染組の悪行と書かれた記事が出回っていた。そして極めつけは、テレビで被害者達の特集や実態等が取り上げられた。) 鳴海「……お嬢、コレは仕方ないですよ……」 血染「……誰の仕業だ?」 モードレッド「あの女だろうな。今頃、君達の屋敷にもマスコミが押し寄せてるだろう。絶賛生放送中だ。」 血染「いやらしい事しやがる……レアアースの件は隠され、ただ私達が悪みたいに言いやがるな。」 モードレッド「違うのか?」 血染「あ?」 モードレッド「こうなった原因は君が作ったんだろ。自分達は町を守るためと謳ってるが、やってる事はあの女と変わらない。君は、改めた方が良い。最低最悪のクズ人間であることを。」 血染「……悪い。」 モードレッド「まだ若いからな、学生気分が抜けてないのは仕方ない。自分と言う人間を見つめ直せ。……宿題だ。この後、自分が何をしたら良いか、分かるよな?この騒動は君が何とかするんだ。」 血染「鳴海、行くぞ。」 鳴海「了解っす。」 N(帰りの車にて。) 血染「ヘコむわ……」 鳴海「ま、気に食わないですけど、言ってる事は間違ってないですよ。」 血染「それは分かってるんだよ。2代目を殺した時には覚悟は決まってる。だけど、改めて言われるとな……お前のせいだ。死ね。お前が悪い。お前のせいで私は未だに処女。」 鳴海「ま、この世界に引き込んだのは俺ですからね。……お嬢は良い人ですよ、だから傷つくし、ヘコむ。だからこそ、自分のやってる事が嫌になる……俺達のやってる事は、世間から言えば間違ってます。だけど、そのように思える事は間違ってません。罪の意識を持てるだけ、お嬢はまだマシです。」 血染「……そんなもんかな。……向いて無いのかな、私……」 鳴海「向かない方が良いですよ。」 N(血染邸 玄関前にて。) 記者「……お、おい!来たぞ!血染組長だ!」 血染「どけ。殺すぞお前ら。」 記者「こ、怖っ……」 血染「お前ら思う事があるだろうが、今回の事はお前らが思ってる程大きい。何故私が一部の住人を追い出したか、何故私がこの歳でヤクザ等をやっているか。そこのカメラを向けてるお前!良く見ろ!……ちゃんと撮るんだぞ!」 鳴海「さぁ!散った散った!」 七海「おい!」 記者「だ、誰だ!?」 七海「忘れたかい?血染百華ァ!!」 鳴海「……おい、なんだクソガキ。」 七海「カメラが多数。……テメェをボコすにはちょうど良い日だ。」 N(暗躍密謀課 事務所にて) 天音「む!?ちょ!セツナっち!見ろ!起きろ!見ろ!見ろ見ろ見ろ見ろ!見ろッ!!」 村雨「……何ですか?今事務作業中なんですよ。邪魔しないでくださいよ。」 天音「良いから見ろ!仕事量が増えるぞ!」 村雨「ちょ!それを早く行って下さい!サビ残断固拒否党代表村雨刹那ァ!現在!三徹め!タイムカードは仕事が終わるまで切らない!……で、何ですか?」 天音「テレビ!ほら!テレビッ!」 村雨「ブフッ!あの子!何でいんの!?」 天音「監視!監視どうなってんだ!?もしもし!監視はどうなったんだ!?はぁ!?ボコられたァ!?貴様ァ!それでも暗躍密謀課かァ!給料カット!いや!サビ残しろォ!!」 村雨「やっべ!行かないといけないですよ!クソ!仕事増やしやがりましたね!」 N(血染低 玄関前にて。) 血染「私をボコす?テメェ何言ってやがる。」 七海「……どっちが良い?屈辱を感じて死ぬか、陵辱されて死ぬか。選べ。」 血染「コンプライアンス的に今のはカットだな。面白い事言うじゃねぇか。」 記者「いったいどう言う事だ……何が……」 血染「おい、そこのカメラマン。良く撮っておけ。」 記者「え!?」 七海「……お前のせいで俺の母親が死んだ。お前のせいで、陵辱され、俺は地獄を味わった。……お前のせいでだ!!これも全部、あのクソみたいな町のためかよ?」 血染「あ?」 七海「あそこまでする必要あったかよ……」 鳴海(……あそこまでする必要があったんだよ。任侠なんて言葉は、今のヤクザに無いんだ。悪いが坊主。お前の恨む相手はお嬢じゃない。俺だ。賛成派連中をイジメさせたのも俺だ。……同情するよ。だけど、それじゃ俺達は食っていけねぇんだ。悪いな坊主。ごめんなさいお嬢。俺に今できるのは、心の中で謝る事だけだ。) 血染「………………だからどうした?知ったこっちゃねぇんだよ!暴対法にしばられてがんじがらめな今、私達ヤクザは自分の釜の飯守るのに精一杯だ。そこまで気にしてる余裕ねぇんだよ……かかって来い。タイマンだ。」 鳴海「雨、降ってきやがったな。」 N(他の記者達は感じた。ただならぬ雰囲気だと……皆カメラを下げて、その場を立ち去る事しかできない。だが、ただ一人。先程の記者は、それでもカメラを構え続けた。) 血染「……来いよ。」 七海「殺してやるよ。」 N(村雨視点。) 村雨「……遅かったですね。」 天音「一触即発の雰囲気だな。大丈夫か?」 村雨「大丈夫じゃありませんよ。本来彼はテレビ局に招いて洗いざらい話して貰おうと思ったんですが、世間に陥れられるより、復讐は自分の手でやりたいのでしょうね。」 天音「ま、こうなることは見越して逮捕状は貰っといた。使用者責任、殺人、器物破損、傷害、暴行、詐欺、脅迫、とりあえずめんどくさいから沢山つけて、死刑ッ!」 村雨「今まで証拠が無くて踏み込めなかったですが、貴方が彼に手を出した瞬間、ジ・エンドです。」 N(鳴海視点。) 鳴海(この坊主を知ってる。名前は七海雅人。女手1つで育てられた、心優しい少年だった。祭りで何回もウチのテキ屋に来てくれた。綺麗な母親を連れて。……お嬢には、罪悪感があるだけマシと言ったが、俺のその感情は、どこに行っちまったんだ?) 七海「母さんの仇だ。」 血染(相手がそれだけ言ったのを覚えてる。だが、その次に見たのは……人と言うのは、ここまで高く飛翔できるのか?……そして、振り下ろされる踵は、まるで満月すらも、落とせるものかと思った。) 天音「おい!あの技ッ!」 村雨「……満月落とし……」 七海(この技で砕いてやる!お前のその頭蓋骨!) 村雨「……だけど、殺せない。」 血染「……危ねぇじゃねぇかゴラ。」 七海「な、何故だ!?」 血染「身長(タッパ)だよ。お前、見た所170か160後半ぐらいか?ヒールでも履いて来るん だったな馬鹿野郎。」 七海「ゴハッ!?」 七海(拳が、重い……) 血染「親がなんだァ?陵辱?知らねぇよそんなもん!」 七海「ウグッ!!」 血染「いくらテメェが格闘技やら武術覚えようと、くぐってきた修羅場の数が違うんだよ。」 七海「はぁ……はぁ……」 血染「テメェにも事情があるだろうが、コッチにも事情があんだ。守れるのは、両手に収まる物だけだ。これ以上どうこう言うつもりはねぇ、私はクズだ。……報復されても、仕方ねぇ。だけど、今はそれを易々と受ける余裕は無いんだよ!」 七海(……またかよ……俺、弱いままじゃねぇか……) 村雨「そこまでです。」 血染「あ?」 村雨「殺人罪、及び傷害、暴行、その他多数。午後6時40分。血染百華、貴方を逮捕する。」 血染「……はは、今度はしっかり逮捕状(フダ)持ってきたんだね。……鳴海、血染組は解散だ。」 鳴海「お嬢。」 七海「ま、待て……」 血染「なんだよ、テメェ起きてたのか?」 七海「お前は、殺す。……捕まっただけで許せるかよ……母さんは、死ぬほど辛いめにあって死んだんだぞ!……罪は、痛みを伴は無いと償え無い!罰は、痛みを与えて苦しむものだ!その女が!何の罪を背負った!その女が!何の罰をくらった!」 村雨「……面白い。私と似たような考えだ。」 天音「行くぞ。」 血染「……無期懲役か死刑が妥当だろうな。やりたい事、沢山あったんだけどな……。」 村雨「連れて行って下さい。……七海君、良ければ、こちらにお電話下さい。」 鳴海「……お嬢。」 血染「鳴海、上手くやっといてくれ。」 N(首相官邸内部にて) モードレッド「どう言う事かな?」 総理「……本当に、すまないと思っている……。」 モードレッド「土下座はいらない。誠意で示してくれれば問題無い。暗躍密謀課の暴走は留まる所を知らない。確かに、俺の秘書が殺された時、君が気を利かせて向かわせた選択は悪くない。だが、俺にも選択はある。君達の役目は、俺の選択の邪魔にならないようにする事だろ?」 総理「……その通りだ。」 モードレッド「誠意を感じないな。」 総理「ま、待ってくれ!分かった!君の言う通りにする!」 モードレッド「イギリス王室を舐めるなよ。」 N(警視庁 取調室にて) 村雨「さっ、早速やりましょうか!いや〜貴方のために沢山資料を作ったんですよ?何分今まで証拠が無かったのですが、今回貴方が彼に手を出した事でやっと逮捕できました〜!」 血染「……うるせぇな。さっさとしろよ。」 村雨「アレ〜?そんな事言って良いんですか〜?」 血染「ッ!?ァっ!?……て、テメェ……ボールペンは刺すもんじゃねぇだろゴラ……」 村雨「どうせ死ぬんですから、別に手に傷ついたくらいでね?……警察舐めんなよ、チンピラが。テメェがやって来た事全て償わせてやる。お前が殴ったあの子が、どれだけ辛い思いをして来たか分かるか?テメェのせいで、あの子の母親は死んだんだぞ?…………落ち着いて下さいムラサメ、さて、さっそく始めましょうか。」 天音「はぁ……はぁ……セツナッ!!!」 村雨「ビックリした〜……え、な、何ですか急に?」 天音「は、早く!早くソイツを解放しろ!……命令が出た!しかも、総理からだ!」 村雨「はぁ!?」 天音「見ろ!このフダ!」 村雨「……内閣総理大臣の全権限の元、血染百華及びその周辺者に関わる事を禁ずる。そして、今を持って血染百華を治外法権者として認める…………ハハッ、本当に言ってるんですか?」 天音「マジだ!……しかもハンコ付きだ。」 村雨「……ハハッ……ハハハハハッ!無い無い有り得ない!クズですよ!このクズを!世に放てと?コイツのせいで何人が不幸になった!何人が死んだ!?厄災を振りまくだけのコイツが……どうして……どうして何ですか……七海君が、可哀想じゃないですか……」 血染「ん〜?なんだってぇ〜?よく分かんねぇけど手錠外してくれるかな〜?ダハハハハ!ソウリ君にちくっちゃおっかな〜?」 村雨「貴様ァ!」 天音「落ち着けセツナ!……別に我はお前の事を何とも思っておらん、だけどあまりセツナをイジメるな。沢山酷い事をしたが、お前もだろ?だからもうこれ以上騒ぎを立てるな。もう手打ちにしよう……お前に少しの罪悪感があるのなら、頼むから、もう辞めてくれ。」 血染「血染組は解散って言ってるだろ?誰のおかけが知らねぇが、もう波風立てねぇよ。多分。」 天音「大丈夫かセツナ?」 村雨「どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして……どうして!?」 天音「大丈夫か?」 村雨「国が何故あんなクズ庇うんですか?やられた側の痛みも分からないのに……何で分からないですか?どうして?」 天音「……仕方ないんだ。私達は所詮、国の犬。黙ってワンと返事するのが我等だ。」 村雨「…………ごめんなさい、少し取り乱しました。」 天音「総理が呼んでる。一緒に行こう。」 N(モードレッド低にて) 鳴海「……おい、どう言う事だ?」 モードレッド「何がだ?」 鳴海「お嬢が警察にパクられたのに、いきなり戻って来た事だよ!」 モードレッド「俺が総理に直接話して来たまでだ。ちょっとした権力の力って奴だ。上級国民は基本何をしても捕まらない。血染百華をそれと同じ立場にしただけだ。……それより、彼女は?」 鳴海「……一人にしてくれってよ。今回の事、相当答えたんだろうな。確かに、お嬢は色々命令して俺らはそれに従って動いていたが、被害者本人が直接出向いてあんな事を言ってきたんだ。自分のやった事、やってる事、自分が恨まれるべき人間と言うのを骨身に染みたんだと思う。」 モードレッド「だから先に行ったのにな。」 鳴海「……言い訳するつもりは無いが、全部あの町を守る為にやった事だ。結果的に、お前は中々踏み込め無かったようだしな?」 モードレッド「それもそうだが、未だに外国マフィアが動き出さないのはおかしい。」 鳴海「自治会もそうだが、役所もそう言う買い取りの話しは無い。」 モードレッド「ま、おいおいそれは片付けて行こう。それよりも、君達は大丈夫なのか?」 鳴海「解散の話しか?ま、言われた通り解散状を警察に出して来たよ。しばらくすれば、血染組のマスコミ騒動は風化して行くだろうな。」 モードレッド「発破をかけたのは俺だが、まさかあそこまでするとは思わなかった。一人残った記者が最後までカメラを回してたからな、これで世論は落ち着くだろう。」 鳴海「……お前、マジで何者だ?」 モードレッド「……質問の意味が分からん。」 鳴海「総理て、内閣総理大臣の事だろ?何故そんな国のトップみたいな人と会うことができる?何故お前にそこまでの権力がある?……超大手の製薬会社の会長?上級国民の度合いを超えてるぜテメェ……」 モードレッド「……特別に教えてやる。俺は、イギリス王室第二正当後継者。ま、ようするにイングランドの王族だ。」 N(首相官邸内部にて) 総理「どう言う事だね!村雨君!」 村雨「誠に、申し訳ありません……」 総理「暗躍密謀課を勝手に動かし、それでいてヤクザを逮捕する?そんなのはマル暴の仕事!君達はもっと他のやるべき事があるだろ!」 村雨「……すいません。」 総理「今後一切、血染百華に手を出そうとするな。……我が国にとって大事なクライアントを君は怒らせた。クライアントは君から直接の謝罪を求めてる。何をすれば良いか、分かるな?」 村雨「…………」 総理「返事は!?」 村雨「……はい……」 総理「よろしい、さっそく行ってきなさい。」 天音「…………セツナ?」 村雨「何ですか?」 天音「さっきも言っただろ?落ち着け。」 村雨「落ち着いてますよ……」 天音「だったら……頼むから車を蹴るのは辞めてくれ。」 村雨「蹴ってません!ちょうど廃車にするつもりだったんでね!タイミング良いですね〜!!!!」 天音「この前納車したばかりだろ……どうやって行くんだ?」 村雨「…………ごめんなさい、一人にしてください。」 天音「分かった。我も一緒に行くから、落ち着いたら連絡しろ。」 村雨「分かりました!!!」 天音「ちょちょ!携帯潰すな!マジで落ち着け!分かる!分かるがその気持ちは抑えろ!30歳だろ!大人になれ!」 村雨「…………悔しく無いんですか?」 天音「何が?」 村雨「……私は、私達のやってる事は、少なくとも世の中に為になってるものだと思ってました。政治家の汚職や、淫行、それらを除けば、彼等はこの国に欠かせない人材だから。だけど……違うでしょ……あの女に何ができる……関係無いカタギを不幸にして、それでいて罪を償わせてやれないなんて……私は何のために、何のために私は……」 天音「……前まで定期的に動画を撮ってたのを覚えてるか?セツナ、お前は言っただろ?弱い者達が、この動画を見て少しでも強くなろうと思えたなら嬉しい。居たではないか、満月落とし……お前がきっかけを作った。これからもっと現れるはすだ。国の為に戦おう。国の為に恥をかこう。お前には、我がついている。」 村雨「そうですね。……でも、それとは別に普通にムカつきます!……ありがとうございます。助かりました。」 天音「構わん。菓子折り持って行くぞ……セツナっち。」 N(血染視点。) 七海(母さんは、死ぬほど辛いめにあって死んだんだぞ!……罪は、痛みを伴は無いと償え無い!罰は、痛みを与えて苦しむものだ!その女が!何の罪を背負った!その女が!何の罰をくらった!) 村雨(国が何故あんなクズ庇うんですか?やられた側の痛みも分からないのに……) 血染「……死にたい……」 血染(こんなの初めてだ。割り切ってた。あの町の為になるなら……皆が笑顔で暮らせるなら……その為なら、どんな手を使ってでも……初めてなんだよ、面と向かって恨まれるのは……心の底から、私を憎む目を見て……自分の今居る立場を分かった。) 血染「お父さん……ごめんなさい。」 鳴海「……お嬢、客人です。」 血染「帰してくれ、今はそんな気分じゃ」 村雨「(被せ)どうも。」 血染「……何で居んのよ?」 村雨「……この度は、大変申し訳ありませんでした。」 天音「すまんな〜!いやはや、こちらの不手際があってな。ほれ、これは菓子折りじゃ。」 村雨「お、おい!どう言う事だ!?」 村雨「総理に謝罪に迎えと仰せつかいました。業務上、こちらの不手際で起こった事です。社会人として当然の事。ですので、今回の件は水に流して欲しいです。」 天音「と、建前で言ってるが、本音は未だにお前が許せないようだ。きっかけはどうであれ、結局はお前が招いた事だ。勘違いするな?お前が悪いと言ってる訳では無い。ただ、我等が動くにもそれ相応の理由がある。ヤクザにこんな事を言うのもアレだが、あまりカタギをイジメるな。」 村雨「血染さん。これは私のちょっとした持論なのですが、自分が誰にかに痛みを与える時、与える側はその痛みを知る義務がある、私はそう思います。一度、七海君が味わった痛みを貴方も味わえば良いのに。」 天音「……じゃあな。」 鳴海「……なんなんすかね?あいつら?」 血染「さぁな。もう良いだろ、出てってくれ。」 鳴海「そう言う訳には行かないんすよ。組の解散で騒動は落ち着きに向かってますが、一応他の奴らやあの町はまだ現在です。トップのアンタがそんなんじゃ、どうしようも無いでしょ。」 血染「2年だ。2年頑張った。割り切ってるつもりだったが、割り切れて無かった。やっぱり辛いよ、自分のやった事とは言え、恨まれるのは。」 鳴海「……安心して下さい。お嬢は一人じゃない。例え世界から恨まれようと、皆の敵になろうと、俺は、俺だけは……お嬢の味方です。」 血染「……ありがとう。鳴海。」 N(七海視点。) 七海「クソっ!」 N(男はサンドバッグに蹴りを入れる。物凄い衝撃と、揺れる鎖の音、そして上裸の背中から醸し出される鍛錬の数々。七海雅人(ななみまさと)は、血染百華をこの手で殺す為に、そして憧れたあの人の為に、彼は戦った。) 七海「……血染組は解散、本人は行方知らず……ハハッ!マジでなんだったんだよ、あの時間は……惨めなのは、変わってねぇじゃん………………あの人、綺麗だったな。あ、そうだ!名刺渡されてたんだ。」 七海「警視庁暗躍密謀課(あんやくみつぼうか)……聞いた事ねぇな。でも、似てたな〜。ファキ○ーマンに。てか中身女だったし、マンてよりは、ウーマン?……まぁいいや。電話してみっか。」 村雨「もしも〜し、こちら村雨です。今回はどう言った要件でしょうか?ウザイ奴がいたら、右に中指を、どうしても露出したいと言う感情が抑えられないなら、交番の前で全裸待機してください。」 七海「うん、今のは聞かなかった事にしてやるから今すぐ辞職して下さい!」 村雨「これは手厳しい。この声は七海君ですね?最近引っ張りだこじゃないですか〜呪○廻戦。」 七海「それはナナミ○!俺はナナミ!……えーと、名刺貰ったんで……せっかくだし、電話しました。」 村雨「なるほど。口頭でお伝えしますが、我々暗躍密謀課は秘密組織のような存在です。国からは認知されてますが、世間一般的には存在しない組織です。まぁ簡単に言うと、死ぬかもしれない危険が伴う仕事です。」 七海「(小声で)こんなの口で言って良いんですか?今俺ジムにいるんですけど……」 村雨「大丈夫ですよ。だって七海君、今AirPodsつけてるでしょ?しかもジムの中は君一人。1時間程前からサンドバッグを叩いて、休憩がてらに私に電話をかけてみた。あ、なんなら今履いてるパンツの柄や、足のサイズ、身長からチン長に至るまでなんでも分かります。」 七海「怖えな!てか待て!チン長て何すか!?ちょ、えぇ!?」 村雨「ちっさ〜……」 七海「はぁ!?小さくねぇし!平均!平均よりちょっと下なだけだから!テクで補えるし!!」 村雨「童貞が何言ってるんですか……全てにおいて私より小さいじゃないですか。」 七海「うっせぇ!」 村雨「ま、何で貴方が電話をかけて来たのはさておき、私は貴方を暗躍密謀課にスカウトしたいと思ってます。とう言う訳で、服を来て外に出て下さい。」 七海「はぁ!?」 村雨「ほらほら。」 七海「ちょ、どう言う事だよ!?」 村雨「チワワ〜、私のフィレオフィッシュとって下さい。」 天音「ん、ほれ。」 村雨「どうも。……美味っ!」 七海「おいゴラァ!アンタ人をいきなり呼び出しといて、何呑気にマック食ってんだ!……はぁ……はぁ……」 村雨「お疲れ様です鳴海君。さぁ、乗って下さい。」 天音「よっ!また会ったな。」 七海(この人との出会いは、幸か不幸か、俺の運命を大きく変えた。)
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