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続きの夢
バーの出口の扉が開くと、そこには3年付き合ってる彼女が立っていた。
『あんた、離れないさいよ!』
『邪魔よ、あっちに行きな!』
そして、麗子さまと彼女が言い争いになり、それぞれぼくの腕を引っ張って、離さない。夢の中で、人生で初めての修羅場を経験したんだ。
「ああー、ぞっとするな…現実でなくて良かった…」
ぼくは、この3年で、彼女の恐ろしさは身に染みている。一刻も早く、この場を離れないと大変な事になると思い、生きた心地がしなかった。
『この男たらし!』
『なにを、このおかちめんこ!』
そして二人が、ぼくの腕を離して、掴み合いのケンカになると、その隙に逃げ出してホテルの外に出た。
その次の夢の続きもスムーズに思い出した。
暗い夜道をとぼとぼと歩いていると、1軒の派手なイルミネーションの建物が目に入った。色とりどりのランブがチカチカと明かりが点滅して、『1億円』と大きく書かかれた宝くじ売場だった。
『お兄さん、買っていかない?』
『えっ…』
『絶対、1億円当たるわよ』
『そうなんですね…いくらですか?』
『本当は、10枚で10万円だけど1万円でいいわ…』
ズボンのポケットに手を突っ込むと何か紙幣があり、取り出してみると1万円札だった。それを売場のおばさんに渡すと黄色い紙に包まれた宝くじを受け取った。
『金運アップの黄色よ…』
『ありがとうございます…』
そして、また歩いていると、自分の住んでるアパートが見えてきた。朝日が昇り始め、だんだんと周りが明るくなり、遠くでニワトリが鳴いている。
ぼくは、アパートの中に入りベッドに座わると、ため息をついた。そこに急に部屋の入口の扉が叩かれた。
『ドンドン、ドンドンドン…』
彼女だと思い、居留守を使おうと思ったが、開けないと大変な事になると思い、おそるおそる入口の扉を開けた。
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