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ホカノカタ
雪の降る七日町のタリーズから少し進んでる八文字屋に東珠乃はいた。
本を見ながら中を歩いている。
外を見るとため息をつく。
雪だろう。
スマホを見てLINEにきていた名前を見る。
中を見る。
【五十嵐】
【岩田と郡山市に行くのか?珠乃が警備員になる前から好きというのは本当みたいだな。だけど、わかるだろう?】
五十嵐という男か女か東珠乃は何らかの関係があり東珠乃は岩田が好きだという事がわかってきたが、だけどわかるだろう?は何を示しているのか東珠乃にしかわからない。
東珠乃は眼鏡をかけた真面目な女性で苛めの対象として生きてきたのだ。
そこに岩田と出会う。
岩田は苛められていた東珠乃を助けた。
大分昔なので岩田すら忘れているだろう。
その時着ていた今の警備会社の服を覚え、岩田を追い求めた。
同じ会社に入り岩田という名前を知り、岩田と深い仲になりたいと頑張ってきた。
3日後に最大のチャンスがきた。
好きを伝えよう。
恋人になりたいを伝えよう。
岩田が助けた事を覚えてるか伝えよう。
でも、五十嵐は?東珠乃はため息をつく。
五十嵐の名前についたため息だろう。
「岩田さんに会いたい」
思わず東珠乃はつぶやいた。
七日町にビルがあった。
1階は喫茶店。3階に[口福の会]と書いてある事務所があった。
代表は五十嵐太郎とある。
あぁ、五十嵐?そう東珠乃の関係のある五十嵐である。
五十嵐太郎はソファに座り煙草を吸いながら客を見る。
「口福の会に東珠乃は入った、その数日後に辞めると言ってきた。何故だ?」
五十嵐太郎は怒鳴った。
「俺が調べたじゃないですか。東珠乃が苛められていた時岩田って警備員が助けたんですよ。で、多分、東珠乃は岩田に一目惚れした。口福の会は辞めるって気持ちになった」
客というより部下なのか相棒なのか親しそうだ。
「せっかくの金が、辞められてたまるか」
五十嵐太郎は言った。
「一人くらいいいのに。100人以上会員いるくせに。」
なんかヤバそうな会員クラブのようだ。
口福の会というのは危険そうだ。
「よくない。一人でも大切にだ。岩田の他のつながりは見つからないのか?玉田しか調べる奴はいないんだ」
五十嵐太郎は言った。
客、は、玉田というらしい。
「へいへい、わかってますよ」
玉田は面倒くさそうに言った。
「白田ひかり、東珠乃と年齢は同じ23ですね。その白田ひかりという女性に岩田は片思いらしいです」
「そうか。ウチの会員だとよかったんだが、白田ひかりという女性か。片思いね」
五十嵐太郎は何かを考える。
と、まぁ五十嵐太郎と玉田という二人は口福の会で何やら起こしそうであった。
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