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「やぁ、恵里香。目が覚めたかい?」
「あんた誰? 私に何したのよ?」
「ちょっとばかり、君の身体を弄らせて貰っただけさ。まさかこんなところで世界中の奇病を研究した結果が役に立つなんて思わなかったよ」
「この変態。何言ってんの? 頭おかしいんじゃないの? 早く放してよ」
「ああ、動けないのは薬のせいだよ。別に縛ったりしている訳じゃないから、その内自然に動ける様になるよ。ところで僕の声、何処かで聞き覚えは無いかな?」
「はぁ? 無いわよ。仮に聞いたことがあってもそんな汚い声覚えてないわよ」
「汚い声はどっちかな。まぁいいや。じゃあ教えてあげるよ。僕だよ。大河内正樹だよ」
「⁉」
「なかなか君が振り向いてくれないからさ、とうとう力ずくで手に入れることにしたよ」
「何馬鹿なこと言ってんの? 私のことレイプでもする気? まさか、弄ったって…もう」
「ははは、安心してよ。君の美しい身体を見て一瞬考えたけど、そんな事はしてないからさ。それに、そんなことしなくても、いずれ君は僕のモノになるんだから。それから飽きるほど抱いてあげるから安心してよ」
「何言ってんの? 本当に頭おかしくなったんじゃないの?」
「そうさ。だが僕を狂わせたのは君じゃないか。君がもっと早く僕に振り向いてくれれば、こんな事をしなくてもよかったんだ。なのに君は僕の気持ちなんてこれっぽっちも考えてくれなかった。いつもいつも僕を馬鹿にしてきた」
「こんな事して、私があんたのモノになる訳ないでしょ。早く帰してよ」
「はぁ。君はいつまでたっても変わらないね。でも。何故なんだ。何故僕はこんな女を好きで堪らないんだろう。自分でも分からない。でも、でも、君が欲しくて堪らないんだ」
「もう、早く帰してよ気持ち悪いわね」
「…もう少し、もう少しの辛抱だ。 おっと、そろそろ薬が切れるころかな。さて恵里香。大事な話をするからよく聞くんだよ。もし僕のモノになる気になったら、僕の病院に来るんだ。そうしたら全て返してあげるからね。まぁ大丈夫だと思うけど、僕に捕まっていたなんて言ったら…」
「何言ってるのよ。直ぐに警察に言ってやるから」
「フフッ。じゃあ、僕の病院で待ってるよ」
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