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恵里香はゆっくりと立ち上がり家を出て大河内の病院へ向かった。
「本日はどうなさいましたか?」
恵里香には受付の女が自分を馬鹿にしている様に見えた。何よ。こんな女。ワタシの方が百倍は美しいわ。ワタシの方が…。早くワタシを取り返さないと。
「あの、笠…、いえ、柿谷と言いますが、大河内先生に会いたいんです」
「少々お待ち下さい」
恵里香は直ぐに病院の奥に案内された。そしてそこには正樹が待っていた。
「やぁ。恵里香。思ったより遅かったね。もっと早く耐えられなくなると思ったよ。それで、今日は僕に何か用かい?」
「ワタシを返して」
「他に言うことがあるんじゃないか?」
「…お願いします。あなたのモノにして下さい。だから、だからワタシを返して。お願い」
「やっとその気になった様だね。よし。もう一度、心からお願いするんだ私だけのモノになると。そして私だけを愛すると」
「お願いします。あなただけのモノにして下さい。あなただけを愛しています」
「フフフ、ハハハ。やっと、やっと手に入れたぞ。柿谷、いや、大河内恵里香。よしよし、良い娘だ。直ぐに元に戻してやるぞ」
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