ワタシ

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 恵里香は麻酔を打たれ眠りについた。真暗な世界に夫が立っていた。 「さようなら恵里香」 「徳人…」 「君は僕よりも、美しさを選んだんだね」 「そんな、だって徳人だって…」 「さような…ら…」  徳人の姿は絵具をグチャグチャに混ぜたようになって消えた。 「あなた!」 「奥様、目を覚まされましたか?」 「お、おくさま?」  そうか、私はもう大河内の妻。しかし今の恵里香にはそんなことはどうでも良かった。恵里香は自分にかけられていた布団をはねのけ、更に服も全て脱ぎ去った。そこにはスラリと伸びた美しい脚があった。 「ああ、私の脚。見てこの美しい脚。この胸、腕、髪も。それにこの声を聴いて。美しいワタシを見なさい」 「目が覚めた様だね恵里香。君が僕のモノである限り、君は世界で誰にも負けない美しい君で居られるよ」 「あなたもワタシを見て。ほらこの美しい身体。胸もお尻も全部全部美しいでしょ」  恵里香はベッドから起きると裸であることを気にするどころか、その美しい身体を見せつけた。
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