【1-1】

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 あまりにも恐ろしい内容だった。    それは十二月に、五年二組のクリスマス会で、出し物の紙芝居として発表されたものだった。  描いたのはクラスでも静かで地味目の女の子、館内聖花(たてうちせいか)。  もともと絵が得意で創作が趣味だと言うので、クリスマス向けの作品を一つ、彼女の好きなように描いてよいと一ヶ月前に許可を出し、制作を任せていた。  ハンドベルの演奏、讃美歌の合唱、赤鼻のトナカイの人形劇の後に続いて発表されたその物語は、クラスの誰もが予想だにしていなかった内容で、それまでの明るく楽しい雰囲気の全てを飲み込むものだった。特にラスト、一人残らず最後にはサンタに殺されてしまうという結末には皆が息を飲み、言葉を失っていた。  担任である私も、あまりの凄惨な内容に、しかも自分がサンタで、犯人であるというオチを着けられたことにショックを隠し切れず、すぐにはどう対応してよいかを判断できずにいた。
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