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ガールズトーク
残暑の兆しが見えてきた夏休み後半のある日。
姫花は唯一の親友である梅本と2人で遊びに出かけていた。
唯とは気まずくて一緒には観られない恋愛映画を梅本と2人で観て、カフェで映画の感想を言い合いながら楽しくお茶をする。
姫花はホットのフルーツティーを、梅本はアイスコーヒーを飲んでいた。
「最近の映画って、結構濃厚なラブシーンも普通に上映しちゃうんだね」
びっくりしちゃった、と苦笑する梅本には、実は8歳年上の彼氏がいる。
その左手の薬指で光っている指輪を、つい最近まで羨ましいと思っていた姫花の右手には、蒼い石の付いた指輪が嵌められていて。
照れくさそうに指に嵌めてくれた唯の顔を思い出しては、にんまりと笑ってしまう。
そんな姫花の笑顔に気が付いたのか、
「姫ちゃんのところは、もうああいうことしてるの?」
アイスコーヒーのストローから唇を離した梅本が訊ねてきた。
「ああいうこと、って……」
姫花はギクッとしながらも分からないフリをしようとしたが、
「えっち」
梅本がさらりと答えてしまった。
「!」
驚きで蒼い瞳を大きく見開く姫花を見て、
「もしかして、まだ?」
梅本は気まずそうに姫花の顔を覗き込んだ。
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