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「それじゃあ全然デートっぽい感じがしないじゃない!」
姫花は露骨にムッとしたが、
「は……? え?」
唯は姫花の言っていることが理解出来ずに混乱した。
「彼氏が彼女を迎えに行くなんて、よくあるだろ?」
「私たちの場合は、それじゃあ付き合う前と全く同じでしょ」
「……」
唯はまだ混乱している頭を抱えて、姫花の次の言葉を待つために黙り込む。
「待ち合わせ場所で、そわそわしながら待つのやってみたいの」
……何故か、姫花の中では唯の方が遅れてやってくる設定になっている。
いつもは約束の時間より前に唯が待っていて、ギリギリに出てくるのは姫花の方なのに。
なんて、それは口が裂けても言えないが。
「うん。まぁ、姫花がそうしたいならいいけど」
姫花の希望は全部叶えてやりたいと思っている唯は、素直に頷いた。
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