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「ゆっ、唯……お願い、待って!」
姫花は慌てて懇願したけれど、唯は姫花の上にそっと覆い被さる。
「……ごめん。これ以上待たされたら、俺……多分、優しく出来ない」
唯はそう言うと、初めて開封した避妊具を慣れない様子で付けて、
「姫花……深呼吸してて」
姫花の初めての場所に自分のそれを押し当てた唯は、ゆっくりと腰を沈め始めた。
「あっ……! いやぁ…… 痛いっ……!」
泣き叫ぶ姫花にきつく締め付けられて、
「うっ……! 姫花……もっと力抜いて」
唯も思わず顔を顰める。
事前にしっかりと解してやりさえすれば、あとはそんなに痛がることなく出来るものだと思っていたけれど……
枕の端を両手で握り締めてぽろぽろと涙を零す姫花を見ていると、とてつもなく胸が締め付けられる。
姫花があまりに辛そうなので、やめてあげたいと思うのに、
(……ヤバい、気持ちいい……やめたくない……!)
姫花と完全にひとつになった直後から勝手に動き出す腰は、もう唯の意思では止められそうになくて。
「……っ!!」
それでも、声にならない悲鳴を上げながら泣き続ける姫花を見ているのはとても辛い。
「はぁっ……姫花……!」
唯が気持ち良さそうに吐き出す溜息を聞きながら、
「やっ……痛、い……!」
唇を噛み締めて耐えていると、
――ポタポタッ……
姫花の胸に、何か水滴のような物が落ちてきた感覚が。
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