初めてのデート

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「宝石よりも綺麗だよ、姫花は」 「……っ」 急にそんな台詞を恥ずかしげもなく言うので、姫花の顔は真っ赤に染まった。 「この石が付いてる指輪を探そうか」 唯が、優しく微笑む。 「なるべく姫花そっくりの石を」 「……その言い方、何か変な誤解を生むよ」 まるで石の彫刻を指すような言い方をする唯に、姫花は苦笑した。 そんな姫花を見て、 「やっと笑ってくれた」 唯が嬉しそうに微笑んだ。 唯の言葉に、姫花の胸がズキッと痛む。 「……そんなにつまんない顔してた?」 「つまんないっていうか、悲しそうな顔してたから」 唯が、姫花の手をぎゅっと強く握り直す。 「中も見てみよう。ここなら、気に入るのあるかもしれない」 唯に手を引かれて、 「う、うん」 姫花は怖々と店の中に入った。 唯がすぐに店員にブルートパーズの指輪はないかと訊ねて、 「こちらです」 案内された商品は、細かい模様が刻まれたシルバーのリングの中心に、ロンドンブルートパーズが一粒だけ()め込まれた指輪。 石はとても小さなものだが、澄み切った深いブルーがとても美しい。 「どう? 姫花」 唯が、隣の姫花の顔を覗き込んだ。 「え……凄く綺麗で可愛いと思うけど」
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