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マンションに戻ってくるとコンシェルジュに声を掛けられた。
「高遠様。先程、小柳様と仰るお客様がお見えになりまして…」言い淀むコンシェルジュ。
友哉と愛莉が、昨日雅から注意するように聞いたばかりの名前だ。
「何か気になる事でも?」
「それが…高遠様と結婚されるご予定とか。部屋に通すように言われましたが、もちろん勝手にお通しする事は不可能である事と、お留守だとお伝えさせていただきました」
一方的に勝手な事を言っている相手に怒りがわく。
「ありがとうございます。本日、私達は婚姻届を提出し入籍しました。ですので、今までの同居人から夫婦での登録に変えていただけますか?勝手に結婚相手や婚約者と言ってくる人物は全て偽者ですので、注意していただくようにお願いできますか?」
友哉の言葉に、勤務していたコンシェルジュ達は皆ふたりを祝福する。
「高遠様、南様おめでとうございます。本日より南様のご登録を奥様に変えさせていただきます。小柳様の件ですが…」
「何か気になる事でも?」
「はい…申し上げにくいのですが…」
「教えて下さい」
「必死の形相と申しますか、かなり厄介な方とお見受けします。ご注意なさって下さい」
「わかりました。ご迷惑をお掛けしますが、絶対に通さないで下さい」
「もちろんです」一流の対応のコンシェルジュに感謝だ。
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