五月病?

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五月病?

『君はきっと気づかないだろうね』  何だろう?  最近、そんな言葉がわたしの頭の中に浮かんでくる。  わたし、伊豆ジュンはごく普通の高校生だと思います。  成績は中ぐらい。  身長もクラスの中では真ん中あたり……背の高いすらっとしたバレー部の伴さんや、小柄で可愛らしい漫研の神谷さんと比べたら、悲しいぐらい平凡です。  顔は……自信が無いです。  男の子もわたしなんて気にしていないでしょう。  二年生になっても、浮かれた話はないですし……。  好きな人ですか?  えっ、あっ……いないわけではないです……。  そういうこと言うの恥ずかしいです。  何ですか!? こんな質問しないでください! 『君はきっと気づかないだろうね』  そう、わたしの頭の中にこのところ浮かんでいる不思議な言葉……。  思い起こせば、2年のゴールデンウイークぐらいでしょうか。  連休中、妙に気怠い感じがしていました。  五月病?  そういうものがあるとは聞いていましたが、わたしもそれになったのでしょうか……。  とにかく、朝目覚めてからの気怠さといったら……。  インフルエンザで寝込んだときぐらいかな?  熱は無さそうです。  その気怠さをお母さんにいったら、 「そう、だったら今日は休みなさい……」  連休明け、お母さんはいつもだったら、学校に行かせるはずなのに珍しい。と、思った事は覚えています。  結局、その日は一日中、ベットで横になっていました。  次の日になって、わたしは少し調子が良くなりました。  少し気怠さはありますが、熱も無いことですし、学校に行くことに決めました。 「――行ってきます」
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