1人が本棚に入れています
本棚に追加
五月病?
『君はきっと気づかないだろうね』
何だろう?
最近、そんな言葉がわたしの頭の中に浮かんでくる。
わたし、伊豆ジュンはごく普通の高校生だと思います。
成績は中ぐらい。
身長もクラスの中では真ん中あたり……背の高いすらっとしたバレー部の伴さんや、小柄で可愛らしい漫研の神谷さんと比べたら、悲しいぐらい平凡です。
顔は……自信が無いです。
男の子もわたしなんて気にしていないでしょう。
二年生になっても、浮かれた話はないですし……。
好きな人ですか?
えっ、あっ……いないわけではないです……。
そういうこと言うの恥ずかしいです。
何ですか!? こんな質問しないでください!
『君はきっと気づかないだろうね』
そう、わたしの頭の中にこのところ浮かんでいる不思議な言葉……。
思い起こせば、2年のゴールデンウイークぐらいでしょうか。
連休中、妙に気怠い感じがしていました。
五月病?
そういうものがあるとは聞いていましたが、わたしもそれになったのでしょうか……。
とにかく、朝目覚めてからの気怠さといったら……。
インフルエンザで寝込んだときぐらいかな?
熱は無さそうです。
その気怠さをお母さんにいったら、
「そう、だったら今日は休みなさい……」
連休明け、お母さんはいつもだったら、学校に行かせるはずなのに珍しい。と、思った事は覚えています。
結局、その日は一日中、ベットで横になっていました。
次の日になって、わたしは少し調子が良くなりました。
少し気怠さはありますが、熱も無いことですし、学校に行くことに決めました。
「――行ってきます」
最初のコメントを投稿しよう!