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登校初日?
その日、学校に登校すると妙な感じでした。
みんなが遠巻きにわたしを見ています。
連休明けに、休んだからかな?
いじめとか、特になかったはずなのに……急にどうしたのでしょうか?
『ピンポンパンポン……。
――2年B組、伊豆ジュン。職員室に来るように……』
校内放送で呼び出されたのには驚きました。
目立たないようにしていたつもりのわたしが……何かしたっていうのでしょうか?
そんなこと初めてです。
昨日から不思議なことが多いです。
「……失礼します」
あまりいい印象のない職員室。大概は怒られることか、面倒な頼み事を頼まれるか……。
扉を開けて入ると、担任を捜しました。
いたッ!
奥の方……日差しの当たる場所に、髪をポニーテールにしたわたしの担任が座っていました。
先生になって、4、5年目で、まだ主担任はわたしのクラスが初めてと、言っていたのを覚えています。
「――伊豆、来ました……」
声をかけると、担任はビクッと肩を持ち上げてヒドく驚きました。
わたしを見ると目を丸くしています。
そして、つま先から頭の天辺までゆっくりと正視しています。だけど、目を合わせてくれません。
どうしてそんな見方をするのだろう?
「――だっ、大丈夫?」
しかも、言葉を選んでいるような……もう少し気さくな女性だったと思うのですが……。
「すこし、怠い感じがしますが、大丈夫ですが何か?」
「そっ、そうならいいんだけど……。
私もこういうのは初めてなモノで……なんといったらいいか……。
ゴメンナサイ……」
と、担任は涙目になっていました。
わたしが休んでいたたった一日の間に、何かあったのでしょうか?
とにかく、担任はそれ以降、「戻っていいわ」と言ったきり、黙り込んでしまいました。
ホントに何があったのだろう。
『君はきっと気づかないだろうね』
また、あの言葉が浮かんできました。
わたしの知らないこと。
たった一日のはずですが、わたしの周りで何かが変わったかもしれません。
教室に戻ったらみんなに聞いてみよう。
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