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そんなある日、家に町内会のお祭りのお知らせが入ってきた。俺はこれまで、そういったものには一切関わらないようにしてきた。だが今回は、自分からボランティアスタッフをかってでた。なぜなら実行委員の中に、あの家族の名前があったからだ。この機会に、あの家の人間と言葉がかわせるかもしれない。彼らのことをまるで古い友人のようによく知っている俺は、ぜひ直接に言葉をかわしてみたくなっていたのだ。
お祭り会場に行くと、案外多くの人間が参加していた。そこかしこから、「初めまして。今回初めての参加となりますので、よろしくお願いします」という声が聞こえてくる。俺も早速、あの家のオヤジを見つけ、話しかけてみた。オヤジは愛想良く俺に、「ボランティアをお引き受けくださり、ありがとうございます」などと言っている。俺は、「初めまして、よろしくお願いします。俺はあなたが、どの下着のとき尻がかゆくなるかまで知ってます」という言葉をこらえねばならなかった。
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