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「わっ……」
片手に日傘を持った状態だったために、反動でよろめいてしまう。
咄嗟に日傘を手放して、片手を砂地に着けて尻もちは何とか免れた。
手についた砂をパンパンと叩いて落とすと、気を取り直してビンをまじまじと見つめる。
手に感じるのはその重さだけで、振ってみると乾いた感じの軽い音がする。ただ、中身はよく見えない。
ビンの周りを覆っていた無数の砂粒をパッパッと手で払うと、紐で括られた筒状の紙が入っていた。
「宝の地図とか……?まさかね」
口をついて出た、突拍子のない考えにフッと笑いが漏れてしまう。肩を揺らしたあとで一つ頷くと、そのまま自宅へと持ち帰った。
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