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この手紙が流れて、流れて、ずっと知らないどこかへ行って欲しい。できれば、誰の目にも触れることなく。
私の手元から離れれば、貴方を思い出すことが減るかもしれないから。
だから、行方を海の流れに託します。』
想いの深さは波に抗ってしまったのか、結果として浜辺へと舞い戻ってしまった。
幸い浸水はしていなくて、便箋自体は綺麗だった。
ただ、幾年かは分からないが月日が経過しているのが読み取れた。
紙が変色していたこと、それから、元の黒のボールペンと思われる色が退色して縁に青みのある色が浮かんでいたからだ。
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