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勇者のタマゴ
父は冒険で名を上げた探検家。
自分はいつか勇者になるのだと宣言している最年少。
父からもらった短剣を、目を輝かせてカバンに詰める。底に入れすぎて、すぐに出てこないこともある。
怪我や病気は僧侶に任せ、必要な品は魔法使いが持ってくる。モンスターは戦士が倒して調理だってお手の物。
勇者のタマゴは全てがそこそこできる。
でもエキスパートではない。
「しいて言うなら、冒険のエキスパート!」
現場について、周囲の空気を感じて、判断をして指示を出す。
「明日はお友達と冒険に行くんでしょ? 騒いでないで早く寝なさい」
母親に怒られてベッドに入る。
でも、ドキドキして眠れない。
と思っていたが、いつの間にか熟睡してしまった。
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