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俺が尋ねると、副島は何か言おうとして口を開きかけ、やめた。
「寒いな」
「寒いね」
「そろそろ行くかな」
「俺も」
副島がこっちを振り返った。俺と目が合うと、少し間が空いてから背を向けた。
副島は、何か言いたかったんだ。
そう思ったけど、聞かなかった。
コンビニの中のゴミ箱に紙パックを捨てた。
店の外に出たときにはもう副島の姿はなかった。
俺はパーカーに手を突っ込んでコンビニを後にした。
今日の逢瀬も終わってしまった。あと何回、副島に会えるだろう。
すじ雲が形を変えていた。風に流されて、自在に。
あんな風に、俺の気持ちも消えてしまったらいいのに。
夕飯、なんにしよう。なんかあったかいものが食べたい。
副島に会えたらいい日なはずだったのに、俺の心はちょっとだけ暖かさが欲しい。
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