3人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
『今、どこにいますか?どなたか指令をクリア出来そうな方はいますか?』
只野がまた一斉送信でメールを送ってきたのだ。
誰も返信しない。智成と美桜にも今は返信する気力などなかった。
数分して、再び只野からのメールが入った。
いちいち読むのが面倒だと思った智成はそれを無視したが、美桜はゆっくりとそのメールを開いた。
『お願いです。自分勝手なお願いだとは思いますが、どうか残りのターゲットを早く殺してください。でないと‥‥‥』
そのメールを見て、見る見るうちに美桜の顔が青ざめていく。
「おい、どうかしたか」
智成が声を掛けると、美桜は唇を震わせながら携帯を智成の方に向けた。だが、余りの震えに携帯をその場に落としてしまう。
「なんだ、何を怯えて」
「智成、さ、さっきの指令を、もう一度み、見て‥‥‥」
智成は訝しがりながら、先ほどの指令のメールを再び開いた。
「気付かなかったけど、し、指令には続きがあるの」
そう、只野夫妻以外の誰もが気付いていなかった。指令メールには、全てに続きがあったのだ。指令だけを見てその先をスクロールしなかったのが原因だ。そこには、クリアできなかったときの罰則が記されていた。そして、三度目の指令メールをスクロールすると、そこには目を疑うような罰則が書かれていた。
最初のコメントを投稿しよう!