落選と当選

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「これはなんですか?」  智成は番組スタッフに聞いてみたが、開催日は番組収録と同じ日である事と、ゲット出来る景品は最低でも現金十万円という事、また、このゲームは地上波放送はされないという事、それ以外は何も聞いていないとのことだった。 「いいじゃん、別に損する訳じゃなし、やってみようよ」  美桜は嬉しそうにそう言った。美桜はこれを、番組の最後のパネル捲りゲーム程度のものと思っていた。智成も、当選した時の事を考えて当日は有休を取っていたので、時間を持て余すくらいならと、軽い気持ちで頷いた。  そして当日ーー  封筒の中に入っていた二枚の招待状を手に、指定されたゲーム会場に向かった。そこは、結婚前に何度も二人で訪れた事のある、大型ショッピングモール跡地だった。
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