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#011
放たれた閃光――。
インストガンの電磁波を避けながら、ブレシングは銃剣のナイフを突き立てる。
見事な飛行装置操作でまず一人目の武器を破壊し、そのまま近接戦闘に持ち込む。
それは、接近戦になればインストガンの発砲が難しくなるからだ。
自分が近づけば、敵の電磁波が味方に当たる可能性が高くなる。
囲まれれば厄介だが、ブレシングは瞬時にそう判断して二人目のインストガンも突き刺した。
「次で終わり……」
そう呟き、空中で身体を反転させながら三人目のストリング帝国兵の後ろへと回り込む。
推進剤の噴出量をコントロールし、距離を取ろうとしていた敵の背後を取ることに成功する。
そして、銃剣を振り落として敵のジェットパックを破壊。
落ちていきそうになる相手の手を掴み、目の前の二人向かって口を開く。
「命まで取らない。お願いだから投降してくれ」
ブレシングはそう言いながら、手を掴んでいる兵の顔に銃剣を突きつけた。
帝国兵は二人は表情を強張らせながらも、その両手を上げて大人しくブレシングに従う。
ブレシングがそれを見てホッとしているところに、カーキ色の連合国軍の制服を着た人物――エヌエーが現れた。
「大丈夫ブレシングッ!? って……もう捕まえたのッ!?」
彼女の後ろには同じくカーキ色の軍服をまとった連合国軍兵たちもいた。
全員ジェットパックを身に付けており、すぐにブレシングが無力化した帝国兵らを拘束して連行していく。
「スゴイよ、ブレシング。また腕を上げたんじゃないの。もしかしてメディスンにかなり扱かれてるとか?」
「エヌエーさん……いや、エヌエー中佐。そんなことよりも街のほうは大丈夫なんですか?」
「うん。今のところ侵入して来たのは、君が捕えた三人だけみたいだよ。大手柄だね。コロニー内に被害を出す前に事を収めちゃったんだからさ」
「じゃあ、もうここは問題ないんですね。だったら僕は外へ戻ります」
「ちょっと、そんな慌てなくても……」
ブレシングがエヌエーの前から立ち去ろうとしたとき――。
突然二人に近づいてきていたニコが鳴いた。
ニコはその身体に反重力装置を内蔵しており、空を自在に飛べる。
「どうしたのニコ?」
訊ねるエヌエー。
一方ブレシングのほうは、何故ニコが鳴いたのかに気が付く。
「あれは……?」
物凄い速度で二人のもとへ向かって来る人影が見えた。
その深い青色の軍服を見るに、どうやら侵入者がもう一人いたようだ。
ブレシングはインストガンを構え、向かって来る帝国兵に向かって飛んでいく。
「まだいたのか……。すぐに捕まえてやる」
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