奴隷売買は違法じゃないし、儲かる

1/2
前へ
/2ページ
次へ

奴隷売買は違法じゃないし、儲かる

魔王戦争が終わり、世界は平和になると思われた。しかし、残ったのは大きな傷跡と仮初の平和だけ。これはそんな時代の高位聖職者(ハイプリースト)の物語。 「はぁ、あのバカが作った冒険者組合(クソゴミ)のせいで仕事もしずらいし、邪魔も多い、まじ、あのバカ殺したら無くならんかな」 赤い修道服の上から黒いマントを着た美少女(←これだけ重要)が1人、路地裏を歩いていた。 「よーよーシスター、あんたがこんな所にいるとは世も末だなぁ」 「俺たちと楽しいことしようぜ」 「ぶっ飛ばされたくなきゃ、ロクロウを出しな、今日はちょいと商談があるんだ」 すでに1人、地面に転がっていた。 「へ、へい!少々お待ちを!」 建物の中からハゲのダンディーなおっさんが出てくる。 「遅かったな、お前んところの従業員も、落ちたもんだね」 「は、あんたが可愛いからさ」 「言うようになったじゃないか、ちょいと商談が有る、話を聞け」 「そうかい、とりあえず、中に入れ、外だと漏れる」 「ああ、そう言わなきゃぶっ飛ばしてたとこだよ」 2人は中に入っていった。 「あんた、護衛、足りてないんだろ?私が護衛してやるよ、そうだ、帝都まで、どうだい?」 「そりゃそうだが、あんた、本当にいいのかい?売れっ子なんだろ?」 「そりゃ、売れっ子さ、でも、お前が一番(報酬が)高いと思ったのさ」 「ほぉ、そりゃありがてぇ、で、どれくらいだ?」 「三等奴隷1人につき金貨1枚、二等奴隷で金貨5枚、一等奴隷で金貨10枚、特等奴隷で白金貨20枚だ」 「おいおい、そりゃちょっと高すぎじゃねぇか?三等と二等はいいが一等は8枚が相場だぜ?それに、特等はいねぇよ」 「いーや、高くねぇよ、あんた、今回は居るって噂、聞いてるぜ、早死にしたくなきゃ、嘘はつかねぇことだな」 「……はいはい、わかったよ、だが、それでも金貨9枚が限界だ、赤字になっちまう」 「わかったよ、それで、いつ出るんだ?」 「深夜さ」 「そうかい」 「いいのか?」 「構わんよ、私はいつでも行けるのさ」 「そうか、門で待っていてくれ、」 「了解」 夜は暗く更けていく。 「よぉ、逃げなかったのか?」 「逃げたら大赤字だよ、分かってんだろぉ?」 「そうだな、じゃあ、行くか」 奴隷を乗せた馬車は帝都へと動き始めた。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加