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奴隷売買は違法じゃないし、儲かる
魔王戦争が終わり、世界は平和になると思われた。しかし、残ったのは大きな傷跡と仮初の平和だけ。これはそんな時代の高位聖職者の物語。
「はぁ、あのバカが作った冒険者組合のせいで仕事もしずらいし、邪魔も多い、まじ、あのバカ殺したら無くならんかな」
赤い修道服の上から黒いマントを着た美少女(←これだけ重要)が1人、路地裏を歩いていた。
「よーよーシスター、あんたがこんな所にいるとは世も末だなぁ」
「俺たちと楽しいことしようぜ」
「ぶっ飛ばされたくなきゃ、ロクロウを出しな、今日はちょいと商談があるんだ」
すでに1人、地面に転がっていた。
「へ、へい!少々お待ちを!」
建物の中からハゲのダンディーなおっさんが出てくる。
「遅かったな、お前んところの従業員も、落ちたもんだね」
「は、あんたが可愛いからさ」
「言うようになったじゃないか、ちょいと商談が有る、話を聞け」
「そうかい、とりあえず、中に入れ、外だと漏れる」
「ああ、そう言わなきゃぶっ飛ばしてたとこだよ」
2人は中に入っていった。
「あんた、護衛、足りてないんだろ?私が護衛してやるよ、そうだ、帝都まで、どうだい?」
「そりゃそうだが、あんた、本当にいいのかい?売れっ子なんだろ?」
「そりゃ、売れっ子さ、でも、お前が一番(報酬が)高いと思ったのさ」
「ほぉ、そりゃありがてぇ、で、どれくらいだ?」
「三等奴隷1人につき金貨1枚、二等奴隷で金貨5枚、一等奴隷で金貨10枚、特等奴隷で白金貨20枚だ」
「おいおい、そりゃちょっと高すぎじゃねぇか?三等と二等はいいが一等は8枚が相場だぜ?それに、特等はいねぇよ」
「いーや、高くねぇよ、あんた、今回は居るって噂、聞いてるぜ、早死にしたくなきゃ、嘘はつかねぇことだな」
「……はいはい、わかったよ、だが、それでも金貨9枚が限界だ、赤字になっちまう」
「わかったよ、それで、いつ出るんだ?」
「深夜さ」
「そうかい」
「いいのか?」
「構わんよ、私はいつでも行けるのさ」
「そうか、門で待っていてくれ、」
「了解」
夜は暗く更けていく。
「よぉ、逃げなかったのか?」
「逃げたら大赤字だよ、分かってんだろぉ?」
「そうだな、じゃあ、行くか」
奴隷を乗せた馬車は帝都へと動き始めた。
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