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「なんだ、かくれんぼか……」 出番をなくして拍子抜けした僕は、バス停に戻ろうと踵を返す。  ふと気配を感じて視線を投げれば、ブランコに座っている人物の影が、僕に向かって長く伸びていた。  このときの僕は、頭が人助けモードになっていたのかも知れない。 だってブランコから伸びる影が、助けを求めて必死に手を伸ばしてきているように見えたんだ。  僕は吸い寄せられるようにブランコに向かって歩いて行った。
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