あにばーさりー

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 音楽の時間で、二人一組で向かいあってたて笛の演奏を聞いていました。僕は、当然のようにたっ君とペアを組んでいたのですが…。    近い近い。なんかやたら距離感近いです。前から思ってたんですけど、パーソナルスペースがだいぶ人より狭い所あるんですよね。そういう所含めて、女子っぽいと言われるんでしょうけど。  クラスでも、急に後ろから抱きつかれたりして困惑することが多々あります。胸がドキドキして…。いや、何で僕がドキドキする必要があるのか分からないんですけど。  目の前で、たっ君がたて笛を吹いていました。前から思ってはいましたが、女の子のように長いまつ毛です。こないだ会った彼のお母さんに、よく似た顔立ちだなあと思いました。そして、たて笛を吹く彼の唇。柔らかそうで、形のいい…。  「せっ君?」  たっ君が言いました。いつの間にか、演奏が終っていたようです。  「あ…ああ。次は僕の番だね。悪い」  そう言って、この時はなんやかんやごまかしていたのですが…。
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