あー、あの日の、わいの冒険 1年生 その8 「夏生、ハムスターを欲しがる」

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 夏も終わり、日暮れが早い。  アイスも食べたせいか、風が吹くと少し肌寒かった。  「まあ、じっちゃんの一生の約束は、……あと来世と、来来世の一生の約束。これはこれで助かったかな」  と、じっちゃんが呟いた。 「どないやろ。母ちゃんが『飼ってもええ』っていう為に使ったから……」 「……やっぱり、そうか ……あかんか ……次の人生と。次の次もか」  じっちゃんはガックリと肩をおとした。 「もったいなかったな」 「……無駄遣いやな」 「そやね」  風がピューっと吹いた。 「でも、一生のお願いがなくても大丈夫や」  わいはじっちゃんを見上げて言った。 「……役立たずやで」 「じっちゃん、一生のお願いがなくても、じっちゃんは、わいのじっちゃんやで」 「そうか……」 「うん。そうや。次の一生も、次の次の一生もわいのじっちゃんやで。だから大丈夫や」 「……そりゃ、えらい大変やのう」  といって、じっちゃんは笑った。  わいは久しぶりにじっちゃんと手を繋いだ。 「帰ろう、じっちゃん」
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