聴かせて

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「マヤと話、できたの?」 「うん、さっきまでずっと一緒だったんだよ」 「へえ?」  私の話を否定することなく、優しい笑顔で伸ばしてくれた手につかまり、立ち上がる。  亮さんと手を繋ぎながら、風の吹く丘を車に向かい歩き出す。   「元気だった?」 「笑ってた、相変わらず」 「だろうね」  どこから話そうか、お姉ちゃんのこと。  全て話し終えて、それから待たせていた返事をしよう。  ひゅうひゅうと私たちを包み込む風。  私の想いを待っていてくれたお姉ちゃんが笑っているような気がして。  二人でもう一度「風の電話」を振り返り、目を合わせ微笑み合った。 ――聴かせて――
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