3 次の約束

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3 次の約束

「先程は、お疲れさまでした。これからお戻りですか?」  さっき、部下を叱っていたのと同じ人物とは思えない、柔らかな口調。でも、見覚えのあるおじさん達と若者が、鉢植えのテーブルからあわてて追いかけてきているから、間違いない。鬼上司から営業スマイルに切り替えた、コンサルタントの狭間さんだ。  そちらがそのつもりなら、こっちも、よそ行きモード、スイッチオン。 「先程は、どうもありがとうございました。今日は、もう工場には戻らないつもりです」 「そうですか。来週も、またよろしくお願いします」  あくまでにこやかだけど、お茶はひっくり返すし、ロクな意見も言えない私なんか、切れ者のこの人にしてみたら、ただのお荷物じゃないかと心配になってきたから、確かめてみる。 「あの、私などが参加していたら、ご迷惑ではありませんか?」 「どうしてですか? 実際に使われているユーザーさんの率直な意見は、とても参考になります。ぜひ最後まで参加して下さい」  課長からは、この出張は十二月までの三ヶ月間と聞いていた。
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