19人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
今後の動向として、私と時貞さんが防衛地の左右をそれぞれ担当し、私が敵の飛び道具を中心とした攻撃をスクエアボックスでガードし、時貞さんが全体のサポート。大名がいた場合には能力を開放し仕留める。負傷した兵士がいる場合は私が治療に入る。といった流れを共有し、私は左陣の少し上空の位置に付いた。
味方に降りかかる敵の攻撃を防ぎつつ、足が止まった敵兵を能力を持ったこちらの兵がひとりずつ確実に倒していく。
その後両陣営共に大きな動きもなく、こちらが有利な状況に進んだところでブザー音が時を知らせる。
──────────────────────
〘正当防衛権を獲得しました〙
討伐対象:立花宗茂
(タイマーは対象討伐後に再開します)
──────────────────────
敵陣営から空に向かって昇る一筋の光。あの下にいるのがそのようですね。私からも反撃開始です。私は光の下へ瞬間移動した。
「漸く来たな。さぁ、あんたの力を見せてもらおうか。」
その巨躯に似合わない小太刀を構えながら男が口を開く。一撃で沈めると言わんばかりのその気迫に圧される。
一瞬の間を挟み縮まる両者の間合い。隆起した筋力を込め、振り下ろされた小太刀は大矛へと変化しカッターの刃で受け止める。
矛の勢いに折られ、散散と宙に舞い散るカッターの刃。
「どうやら俺の金楼永光の圧し勝ちのようだな。」
そのように思ってくれて幸いです。
言葉を吐いた敵将の姿は全身を引き裂かれて砂となって崩れかけていた。何が起きたか理解が追いついていない様子だった。
自分の矛による攻撃で私のカッターが砕けた、とお思いでしょう。“砕けた”のではなく“砕いた”のですよ。私自身で。矛を受ける直前。カッターの刃を分解し分離した刃達が貴方を切り裂いた。ただそれだけのことです。
自らに起こった事象に理解が追いついたであろう敵将が笑いながら話しかける。
「あんた貧弱な見かけによらずやるようだな。今回は俺の負けだ。次も楽しく打ち合おうぞ!」
次、とはどういうことでしょうか。それを聞く間もなくぼろぼろとその身を地に崩して消えた。
討伐達成と敵兵500人消滅の知らせが届き、視界の端に目を向けると先程の説明の通りタイマーが動き出していた。
武将を倒すとその隊下の兵士達も消滅するようですね。クエストの流れをあらかた把握し防衛拠点へと戻った。
その後も同様の流れで敵兵を削り、夕刻を待たずに幕府軍半数以下の条件達成で一次侵攻を耐え凌いだ。
死者を数名出したものの、ほとんど無傷で幕府軍を退けた事実に原城は活気付いていた。
時貞さんや好次さんといったこの戦を取り仕切る方々と作戦を振り返り人員が薄い陣地への対策などを話し合った後に眠りについた。
他のクエストとは違いまるでここにいるかのように一日一日の時間がゆっくり流れる。感覚操作でもしているんでしょうか。
初戦からいくつかの夜を越えて迎えた二戦目。
──────────────────────
〘一揆当千クエスト〙
(β) Age code:1638-2-3
一次侵攻
▷二次侵攻
三次侵攻
四次侵攻
最終侵攻
一揆軍:36,973人 幕府軍:15,000人
〔戦闘開始〕
──────────────────────
向こうの数は5,000人追加されて15,000。
開幕に合わせた一斉射撃こそなかったものの、その後は初戦と同じような戦局となっていた。
最初のコメントを投稿しよう!