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旅の果て
元来た道を辿り、いろいろあって1週間後――。
俺達は王族に呼ばれ、玉座の前に来た。
俺、シュン、爺さん、堀さん、海賊王……。
さっそくだが、シュンが王族からダイアをパクっていた件がバレていた。
どうやら、シュンがポケットからダイアを出した瞬間が、海賊王に目撃されていたらしい。
で、その海賊王だが、この前大仏を盗み出そうとして警察に捕まった時、情状酌量を条件にゲロったそうだ。
危うくゲームオーバーになるとこだったが、魔王を倒した事により全てチャラになった。
おまけに、残った金は報奨金として、今改めて目の前に積まれている。
……あぁ、のひ太をザメパで起こした後、ドラいもんの独裁スウィッチで魔王はあっさり昇天した。
「そなたらの働き、まこと見事であった……何か、言い残す事はあるかね?」
王様がそう言うと、まずシュンが前に出た。
「ダイアの件は私の不徳の致すところではありましたが、全て仲間を思っての事……結果的にこのような流れになったのは神のお導きがあったとしか思えないのです……」
……んなあほな。
続けて、爺さんが前に出る。
「御承知かも知れませぬが、このタオ・ペェペェ……かつては伝説と謳われた賢者の子孫……ですが、戦闘より世界平和に尽力し、歳により集中力を欠いた今、魔の王を……その力を半分程度にまでしか追い込められず、悔恨の念に囚われていた先、ご評価頂きましたゆえ後世への記述の件、有難く申し受けたいと存じ上げます……」
世界平和に尽力?どっかの中央競馬会への貢献の事か?
競馬への集中力だけは異常だったな。
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