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だが、王様は満足そうだ。
そして、更に海賊王が前に出る。
「いやね、僕もワ〇ピースさえ手に入ったら色々成長して覇〇色の覇気とか纏う予定でしたし、何かその予定が狂っただけっていうか、漫画の主人公がピンチに陥るあるある展開だったんですよね」
「誰かは知らんがテメェはダメだ」と、王様。
同感だ。
ありえないといった風に不貞腐れる海賊王。
そのすぐ側で堀さんが周りのイケメン兵士を物色している。
まぁ、でも終わり良ければ何とやらだ……。
改めて仲間の顔を見回す。
報奨金を分けたらこいつらともお別れか……今後の身の振り方とか考えないとな……。
物思いにふけっていると、爺さんが報奨金を風呂敷に包みだした。
「一旦、まとめて後で分けましょうかな……」
柄にもなく爺さんもしんみりしている……。
「手伝うわ」と、堀さんが風呂敷を背負う。
最後まで、一応勇者らしくいようか……。
そう思い表情を引き締めると、シュンが俺の横を素早く横切った。
……ん?
「今です!」
シュンがそう叫び堀さんに飛び摑まった。
すぐさま、爺さんが聞き覚えのある詠唱を始める。
え……。
「南無三!!!」
その爺さんの一言で、天井は開けた空間からシュンと堀さんを連れて飛び立っていく――。
「……」
南無三――それは、仏に帰依し救いを求める事……。
爺さん達が瞬間移動魔法で去った上空から紙切れがひらひらと舞い落ちて来る……。
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