第六章 地下の夢箱 

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「でも、地球人は存在していた……その遺伝子は、地球に護られている」  それは進化論や遺伝子のような科学に近いものではなく、残された文献から推測したものだという。 「かぐや姫はいた。その当時の人間が、空想だけでこの物語を書いたとは思えない」  だが、かぐや姫は月から来たのではなく、一時期、地球に戻ってきたのだという。 「地球人は弱く、子孫を残せない。だから、月で保存されていた地球人を、一時期、地球に帰した。その理由は、地球人のいない地球には、何か問題があったのだ」  そして、信弘の推論に繋がってゆく。 「地球人のいない地球は、害虫のように繁殖してゆく外来種を、滅ぼそうとするような力が強くなる。そして継続した永遠を捨て、進化を進める時代になる。その進化はやがて、この星を自滅させる」
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