仮入部

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仮入部

僕は料理研究部唯一の男子。さすがに女子だらけではないと思って入ったはずなのに。料理研究部というのもほとんど名前だけでお菓子を作る部活になっている。僕はいわゆる甘党ってもので、ずっとお菓子を作っている。そして周りの人に配ったり。そのお菓子を食べた人が笑顔になってくれるのが嬉しい。 仮入部期間になるとそれなりに人が入ってくる。その人の中でもひときわ目を引く人がいた。かなり不愛想な顔をしているのに嫌じゃない。そんな人だった。そしてこの部活にあっていない。もしかしてこの中に彼女でもいるのか僕のは不思議で仕方がない。 「それでは仮入部の皆さんは空いているところに散らばってください。」 部長さんがそう言うとお菓子を作っている僕のところへやって来てしまった。そして僕が気になっていた彼は他の人のところへ行ってしまった。思わず見ていたから目が合ってしまったけれど僕は気を取り直してお菓子作りの続きを始めた。
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