第七章 大切な杏のために

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「戦争、って何ですか?」 「あ、いや。何でもないんだ」  今日は、デート。  今から、デートなんだ。  楽しい一日にしなければ、いけない。 「それにしても、杏は明るい色が似合うな。今度、一緒にブティックへ行こう」 「こんな派手な色を着たのは、初めてです」 「似合う服を、たくさん買ってやる」 「ありがとうございます。でも、少しでいいですよ?」  デートのために、真のために装った杏。  その姿に、真は喜んだ。 「嬉しいよ。仕事を休んだ甲斐があった」 「休んだんですか!? お仕事!」 「丸一日、杏とデートを楽しみたいんだ。時間に、追われたくない」  杏はその言葉に、嬉しくなった。  仕事を休ませてしまったことには罪悪感を覚えるが、それだけ大切に想ってもらえている気がしたのだ。 「でも、今度は真さんの休日にデートしましょうね」 「解ったよ」  外は冷たい風が吹いているが、二人の間はすっかりぽかぽかに温かくなった。
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