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その後どれだけ時間が経ったのかな…。ほとんど眠っていたと思う。
体中が熱いし痛い…。のどが…渇いた…
「レイコ!わかる?母さんだよ!…おおーん…」
だからその「おおーん」ての、やめてよ母さん…恥ずかしいよ…
まだ少し眠いから、もう少し…。でも…。
ああ…喉が…渇いた…。
「…み…ず…」
「レイコ!水かい?水が飲みたいんだね?」
口元に冷たい感触があったあと、口の中にそれは広がり、喉の方まで染みていく…。ああ、おいしい…。
薄目を開けると。横になっている私のすぐ脇に、目に涙をいっぱいにためた母の顔があった。
「か…さ…ん…」
声にならない!?しかもなに?この変なしゃがれ声は?…
「おおーん、レイコぉ…」
これじゃ母さんの声が変だなんて、笑えないよね。
苦しい…このマスクは何?苦しいだけじゃない。
唯一動かすことができるのは、右手だけ…?
しかもたくさんの点滴が肘の内側に刺さっている感じで、動かすと抵抗がある…でも、なんとかこの苦しいマスクを外したい…
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