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右手を曲げてマスクを外したら、右肘の内側に痛みが走った。どうも点滴の針が他に刺さっちゃったのかな。
でも、なんとか苦しいマスクを外すことに成功したわ。
はぁ~、息ができる。嬉しい…
「ダメよレイコ!肘を曲げては!…あ!大変!血が出てる…」
母さんは慌ててナースコールを押したようだ。
遠くからパタパタという看護師さんの走ってくる音が聞こえてくる。
部屋に入るなり、
「ダメですよ?右腕を動かしては…」
母さんは慌ててマスクを私の口に戻そうとしていたが、私はそれが嫌なのよ、苦しいのよ…と思っても声に出ない…
なので少しだけ首を振って知らせようとしたけど、見えたかな?
看護師さんは右腕を処置したあと、
「酸素マスクが苦しかったから右手を使ったんでしょう?もうそろそろ外してもいいですよ」
内心「ヤッタ!」と思った。母さんは不服そうだったけど…。
あ~、生き返った。酸素マスクって息が楽になるんじゃなくて苦しくなるものだと初めて知った。それに、喉がやたらと渇くし…。
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