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サンタも苦労す
──二十年後のクリスマスイブ
「父ちゃんお仕事行かないでぇ。一緒にいてよぉ。」と言って涙目になって訴える娘の頭を撫でなから
「ごめんよぉ。父ちゃんは大事なお仕事があるんだ。帰ったら一緒にケーキ食べようなぁ。」と言って僕は家を出た。
娘にはホントに申し訳ないと思っている。けれど娘や妻の事を大切にしていない訳ではない。
──きっとあの頃の父も同じ気持ちだったに違いない……と思っている。
父がよく言っていた。
「家族の存在が最高のプレゼントだ!」と。その意味が分かった気がする。
──「さぁ、大急ぎで仕事を終わらせて家へ帰るぞー!」
そう言って僕はたくさんのプレゼントが入った袋と共にトナカイが引くソリに乗り込んだ。
『happy Merry Christmas!』
─END─
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