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バイバイ、恋心
あれから一年たった。今日は卒業式だった。
由樹ちゃんは彼女を大切にしている。二人は大学に入ったら近くのアパートに住もうと話しているらしい。
俺は、涙が止まらなかったあの日に
『好き』の気持ちを封印した。
一年もたつと、もう幼馴染みで親友というポジションに辛くなったり
彼女と由樹ちゃんの話を聞いたり姿をみても
胸が痛くなることも減った。
俺は、好きなだけで良かった。
あいつが、幸せに笑ってるならそれで良い。
あいつが辛いとき、近くで一緒に苦しんでくれる人ができればそれでいい。
あいつと一緒に前を向いてくれる人がいればいい。
俺はそう思うことで、あいつへの
『好き』を終わらせることにしたんだ。
長い長い片思いだった。大好きだった。
幸せだった。まだ当分は忘れられないかもしれないけど許してほしい。
合格が分かった、一週間後俺は
引っ越すためにこの街をでる。
『じゃあね由樹ちゃん。俺も頑張るよ。
大好きだよ。』
涙はやっぱりでちゃうけど、仕方ないよね。
この大好きは、由樹ちゃんにとったら親友としての好きなのだと思う。
だけど、俺にとっては最初で最後の告白だ。
『おう!頑張ろうな!
俺もカズのことずっと好きだぜ。』
と涙をこぼしながら、くしゃくしゃの笑顔を浮かべ手をふってくれた。
あぁ。幸せだ。
もしも、次俺が、誰かを好きになった時は
一番に伝えるから。待っててね。
完
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