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最後の婚活パーティー
私は、壮大なため息をついた。
食堂にいる他の社員達は、驚いたように私達を見たが、すぐに自分達の食事に戻った。
「そんな真似したら、幸せ飛んでって消えちゃうわよ」
私の同僚で高校時代からの友人、秦野 佳純はサンドウィッチを食べながら笑って言った。
「だってぇ……今回も良い男居なかったんだもの。佳純もそうでしょ?」
「さぁね」
佳純はそう言って野菜ジュースを飲んだ。私は前のめりになって聞いた。
「えっ、嘘……あのどこにそんな男がっ……」
「まっ、そういうわけだから。次からはあんた一人で行きなさいね、パーティー」
「くっそぉ……私だって、良い男見つけてやるんだからっ」
私はおにぎりを頬張った。すると佳純は笑って付け足した。
「なれたら言いなさいよ? 玉の輿に、さ」
「勿論。佳純のより素敵な結婚式を挙げてやるんだからねっ」
私はプチトマトをさしたフォークで佳純を指差して言って、トマトを食べた。そんな私を見て、佳純は優しく笑って言った。
「楽しみにしてる」
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