2人が本棚に入れています
本棚に追加
おじさんがわたしに抱く感情がなんなのか、別に知らなくてもよかった。
……嘘。本当は、喉から手が出てきておじさんの首を絞めてしまいそうなくらい、言葉が欲しかった。なぜ? なぜだろう。
「憧れなんだ、君は、僕の憧れ」
「それと、好きは違うの?」
「全然違うよ。僕は、下心を持ってして下着や裸を撮りたいって思ったわけじゃない。本心だよ」
「1つも、邪な気持ちはなかった」
「すごく、純粋な気持ちで関わりを持ってきたつもりだ。君のキレイな肌、表情を残したいって、素直に思っていた。だけど、その感情の中にいやらしさは1つもない?って聞かれたら、もしかすると、違うのかもしれない」
「邪だった?」
「……自分の感情は、よくわからない」
きっと、おじさんもわたしと同じで嘘をついている。
「いろんな感情を除外するために、僕は君に桃を食べさせている。でも、もう終わりかもね」
最初のコメントを投稿しよう!