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「いまどこにいるって?」
「きみの頭の中・・」
「はぁーっ?」
「そのくらい、きみに想ってもらいたいってこと」
「・・・いま頭の中であんたはボコボコにされてる」
「そこまでになったら、上々だよ」
「ふざけんな!!」
「あと10秒の会話で3分間。カップラーメンが出来るまでの無意味な時間が意味のあるものになったじゃん」
「じゃん?? ーって、私たち急にお友達? しかも意味ってあった?」
「ないの?」
「んーーーーっ。ごめん、ラーメンが伸びるから切るね。バイバイ」
「へぃ、まいど!!!」
「あはははは、腹痛っ! 『まいど!』だって!」
真っ白の宮廷服をまとったイケメンのアニメキャラが、スマホの中で手を振っている。字幕には『想わせの王子』と書いてある。
「待ってる時間、お好きな王子と会話が出来ます。カップラーメン協会のアプリだって? ちなみにお姫様バージョンは男性用って、笑っちゃう」
でも、時間通りに出来たラーメンはなんだか美味しい。意味のある3分間だったのか?
「・・・あしたは白馬の王子にしょう、かな」
(了)
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