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私たちは普通に暮らしていたら出会うことのない、歪な家族だった。生まれた場所も育った環境も、何もかもが違ったけれど確かに幸せで、ふたりと一緒ならこの先長い人生を生きてみてもいいかなと思えた。
生きる希望だったの。運命だって信じたくなるくらいに。
だから、それ以上はいらない。あなたたちからはもう十分過ぎるくらいにたくさんのものをもらったから。
ここは深い地下にある牢。本物の星を見ることはできない。代わりに小さなランプの明かりに、ひとつ願いをかける。
どうか二人が生きてこの国を出られますように。私のことは仕方なかったのだと、二人で生きるための前向きな決断ができますように。
心の中で何度も、何度もそう唱え続けた。
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