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午後の訓練でから回ってしまったらしいヴィルが、アペルトに八つ当たりをした。いつもなら上手くいかなかった理由探しをするところなのに。
でも、八つ当たりしたくなる気持ちも理解できる。国で最も尊敬を集める騎士を父に持ちながら、ヴィル自身は剣の才能に恵まれなかった。剣を握る度、周囲からは馬鹿にされたという。
それでも彼は努力を惜しまなかった。毎日剣を振り、ノートにその反省を記した。そうして少しずつ少しずつ積み上げて今日、初めて、訓練が楽しみだと言って出ていった。荒れるのも無理はない。
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